カナダグースのロゴラベル(Qirille, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)

 高級ダウンジャケットで知られるカナダのブランド「カナダグース」は、中国市場に進出して以来、北京の世論調査や攻撃のターゲットとなっている。

 このほど、「カナダグース」が女性顧客の返品を拒否したため、上海の関連委員会から事情聴取を受け、中国共産党の公式メディアやソーシャルメディアからも「アメリカでは30日間の返品が認められている。ダブルスタンダードではないか」などと批判を受けた。

 発端となったのは、カナダグースの商品を購入した女性の訴えを受けて取材したネットメディアの報道だった。中国メディアによると、10月下旬に、上海市内のカナダグースの専売店で1万1400元(約20万円)のダウンジャケットを購入した女性が、ロゴの刺繍(ししゅう)が通常と異なり、中の縫製が緩く糸がほつれ、生地から異臭がしているなどとして返品を求めた。しかし、店側が拒否したため女性が経緯をネットで公表し、批判が高まっていた。

 時事評論家の何旭氏は、希望之声とのインタビューで「カナダグースが、世界中で返品を受け付けているが、中国市場だけ受け付けないことには理由がある。その理由は、カナダグースの商品は非常に高価なものであるからだ。一部の人は本物に似た偽物を先に用意し、本物を購入してから、偽物を持って店頭に返品を求める。通常、販売スタッフが商品を細かくチェックしなかった場合、その偽造品はメーカーに返品される。そうすると、詐欺者は本物のカナダグースのダウンジャケットをただで手に入れることができる。しかも、このような行為は何度も繰り返され、メーカー側は偽物の返品を受け続けている。カナダグース社は、このような行為に従事している人がいるのではないかと配しているのか、中国に限って返品を受け付けないと規定している。これは、中国共産党の支配下でのユニークな状況である。今回の事件では、上海の客が間違った刺繍のロゴが入った商品を持って行って返金を求めたようで、商品の品質が悪かったからと報じられた。カナダグースが責任を取るべきかどうかはわからないが、一般的にブランドとして、ロゴの刺繍が間違っていることはない。ミスがあったとしても、1ロットの製品がこのようになっているはずだ。このような製品を販売すると、信用を損なうので、一般の大手メーカーはリコールを要求する。この客だけが、ロゴの間違いを発見した不良品は、確率が非常に低いので、カナダグースの専売店が受け取らないのも当然だ」と述べた。

 「しかも、この件はカナダ政府が新疆ウイグル自治区の奴隷労働製品をボイコットしているのと同時に起きており、北京が意図的に報復した結果のように見える。北京はいつも弱いものいじめをしているため、中国市場でビジネスを展開し続けたい会社は、より頻繁に打撃のターゲットになっている。しかし、北京が絶えず挑発し続けても、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、カナダなどは依然として中国共産党の人権迫害に一致して反対している。現在の傾向によると、今後、国際社会はより多くの法案と条項を実行し、中国共産党政権の人権迫害行為に対抗してボイコットする」と言い添えた。

(翻訳・徳永木里子)