(Booz Allen Hamilton社のFacebookより)

 米国の防衛技術コンサルタント会社はこのほど、量子コンピューターが将来、暗号化された情報を解読できるようになった場合、中国共産党(以下、中共)のハッカーは標的を兵器設計や医療などの重要な機密分野に集中する可能性が高いと、報告書で警告した。

 米国の防衛技術コンサルタント会社であるブーズ・アレン・ハミルトン社が最近発表した「The Chinese Threat in the Quantum Age(量子時代における中国の脅威)」と題した報告書で、2010年代半ば以降、中共が量子コンピューターを経済と国家安全保障のための重要な戦略技術とし、巨大な資源を投入して米中の量子技術の差を縮めることに成功したことを明らかにしたと、 ガーディアン紙は報じた。

 中共のハッカーが長年にわたって標的にした情報のカテゴリーは、生体認証、秘密情報機関の職員や情報源、社会保障コード、兵器の設計などが含まれており、いつか解読されると、大量の重要な機密情報が盗み出されることになる。

 量子技術の発展は多くの業界を徹底的に変え、現行の暗号化方法を解読し、中共のサイバー脅威をさらに複雑化にすると指摘した。現在の発展軌跡から見れば、中共が基礎研究と研究開発の面で米国や欧州を上回る可能性は低いが、早期量子技術の導入と使用の規模では、中共がリードしている可能性があるという。

 また、専門家は、2020年代末に量子シミュレータが新薬、高性能材料、肥料の開発に使用できるようになり、そうすると、中共の経済スパイが量子シミュレーションに資料を提供するために、関連データを大量に盗み取る可能性があると予測している。

(翻訳・徳永木里子)