中国軍の「空母キラー」と呼ばれるDF-21D弾道ミサイル(パブリック・ドメイン)

 英国のシンクタンクであるヘンリージャクソンソサエティ(HJS)のスポークスマンであるサムアームストロング氏はこのほど、西側諸国の政治エリートは中国共産党(以下、中共)の軍事的野心について甘い考えを持っていると批判した。

 アームストロング氏は、中共が世界の覇権を促進するために米国を追い越そうとしており、今年の7月と8月に2回行われた極超音速核ミサイルの実験では、すでに米国の軍隊や基地、軍艦を危険にさらしているが、西側の政治エリートはいまだに中共の野望を過小評価しているようだ、とザ・サン紙が11月28日にウェブサイトで報じた。

 フィナンシャル・タイムズ紙は10月16日、中共が今年7月と8月の2回にわたり、核兵器を搭載できる新型極超音速ミサイルの発射実験を行い、低軌道全体を周回した後、目標から24マイル離れた場所で爆発させたと報じた。しかも、このミサイルは飛行中、米国と西側諸国のミサイル探知・防衛システムを回避できた。

 このミサイルの効用はまだ明らかにされていないが、一部のアナリストはこのミサイルが西側の防衛システムを攻撃したり、その機能を低下させたりするのに使用される可能性があると推測している。

 アームストロング氏は、「もしこれが本当なら、我々のリーダーは、なぜ我々が中共の野望にそれほど甘いのかを考える必要がある」と述べた。冷戦が終わり、旧ソ連が解体した後、共産主義と資本主義のイデオロギーの戦いに勝利したと信じ、その結果として中共が国際社会にもたらす脅威を無視してきた西側政府のエリートたちを批判した。

 11月中旬に行われたバイデン氏と習近平氏のビデオ会議について、アームストロング氏は、現時点では、そのサミットの結果がどうなったかはまだわからない述べた。「中共は軍事的支出が自国の経済発展を脅かしていると認識しない限り、軍事的・覇権的野心を手放すことはないだろう」と指摘した。

(翻訳・吉原木子)