漁船(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 中国船が再び、公約を無視し、周辺国の領海侵入を繰り返し、広く不満を募った。

 19日に開催された「第21回韓中漁業共同委員会」で、中国側は、北方限界線(NLL)周辺での中国漁船の違法操業の取り締まりを強化する方針を示した。そのわずか1週間後、1隻の中国漁船が申告せずに韓国の領海に入ったため拿捕された。

 韓国メディア『聯合ニュース』の報道によると、同中国漁船は全羅南道新安郡の近海で違法操業を行い、西海漁業管理団所属の漁業取締船により拿捕されたと、韓国海洋水産部が26日に声明を発表した。

 韓国は7月末にも、東シナ海北部海域に違法操業を行う中国漁船の情報を提出し、中国側は取り締まりを強化すると承諾した。

 南シナ海のインドネシア領ナトゥナ諸島は数か月以来、中国の調査船と警備船により不法侵入され、海底マッピングを行われた。同海域は、推定2.5兆ドル相当の未開発の石油とガスの埋蔵量があるとされている。

 インドネシアのマーフッド政治・法務・治安調整相は25日、ナトゥナ諸島を視察後、「我が国の土地と水域における主権と法治を一歩でも永遠に譲らない」と声明を発表した。

 中国に融和的な態度を取ってきたフィリピンのドゥテルテ大統領も、22日、オンライン形式で開催された中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議において、中国の海警船の攻撃的な行動に言及し、「最近の事態を嫌悪している」と中国の習近平主席に明言した。

 16日、中国の海警船3隻が、フィリピンが実行支配する南沙諸島のアユンギン礁に向かう比補給船2隻に向け放水した。ドゥテルテ大統領は会議で「アユンギン礁における最近の事態を嫌悪し、その他の事案にも深い懸念を持っている。フィリピンと中国の特別な関係性に不利だ」と強く非難した。

 岸田首相は24日、ベトナムのチン首相と首相官邸で会談した。中国の東シナ海と南シナ海における侵入行為および現状を変えようとし、緊張感を高める一方的な試みに対する深刻な懸念を共有した。両首相は、国際法に従った紛争解決の重要性を確認し、日本からベトナムへの艦艇など国防装備品の輸出に向けて協議を加速させることで一致した。

(翻訳編集・常夏)