(ツイッター動画のスクリーンショット)

 5日、習近平氏が推進する巨大経済圏構想 「一帯一路」の下で、インドネシアとの共同プロジェクトであるヤワン高速鉄道の工事中に、 高架の支柱が倒壊した事故が起きた。

 工事を取り締まっている「中国・インドネシア高速鉄道公司(KCIC)」は同日、西ジャワ州カラワン県にあるDK46号橋の支柱を運搬した際に起きた事故と説明し、死傷者は出ていないと発表した。同社のディヤナ・スラメット・リヤディ氏によると、品質管理チームが支柱の位置がずれていることを発見し、業者に撤去してやり直すよう要求したところ、マニュアル通りに行わなかったために撤去作業中に今回の事故が起きたという。

 インドネシア首都ジャカルタと西ジャワ州の州都バンドンを結ぶ142.3kmのヤワン高速鉄道は、北京の「一帯一路」計画に基づくプロジェクトである。2018年に着工し、2022年末までに完成する予定。完成すれば、3時間かかっていた両地域間の移動が40分に短縮される。しかし、鉄道工事は、地元の人々の生活や安全、環境面での問題をも引き起こした。

 インドネシアの環境保護団体は、「中国・インドネシア高速鉄道公司」が発破を利用しトンネルを掘削している過程で山崩れを起こし、地元の重要な水源を絶ち、土石流や水害を引き起こしていると指摘した。昨年初め、西ジャワ州カラワン県の農地が、高速鉄道工事の廃棄物処理場として利用されたため、地元の農民は土地を耕すことができなくなったという。

 また、 同プロジェクトは、事前計画の甘さによる工事の大幅な遅れが出ており、追加コストで財政負担する予定がなかったインドネシア政府も国費を投入せざるを得ない。

(翻訳・徳永木里子)