(外務省YouTube動画のスクリーンショット)

 林芳正外務大臣は今日(11日)午前、就任の記者会見で、「外務大臣としての職務遂行にあたり、無用の誤解を避けるために辞めると判断した」と説明し 、4年近く務めてきた超党派の「日中友好議員連盟」の会長を辞任すると表明した。

 岸田内閣が発足後、日中友好議連会長の林氏の外相就任に、自民党の保守派から「中国への誤ったメッセージになる可能性がある」「中国に甘くなるのでは」 などと懸念の声も出ており、中華民国(台湾)も岸田首相の動きが中国(中国共産党)を安心させるものではないかと懸念している。

 これらに対し、林氏は「中国に責任ある行動を求めることは、知中派であっても私はできると思っている」との見方も示した。「対話を続けて共通の諸課題について協力を遂行していく上では、全く見も知らないよりは、相手のことをよく知っている方がいいのではないか」と語った。  

 産経新聞の中華民国台北支局長の矢板明夫氏は11日、フェイスブックで、林芳正外務大臣は親中派として知られているが、実は大局的な視点を持った政治家であり、中国との関係も良好だが、それ以上に親米派であると述べた。

 林芳正外務大臣は米国のハーバード大学ケネディスクールに留学した経験があり、かつて中日友好議員連盟の会長を務めたことがあるが、林氏は米国の政界にも多くの友人がおり、米中対立が現実となった今、首相を目指す林氏があまり親中に片寄らならないだろうと、矢板明夫氏は考えている。

(翻訳・吉原木子)