臓器摘出に反対する医師会「DAFOH」のホームページ

 中国河南省当局の関係者がこのほど、同省で行なわれる臓器移植に使用される人体臓器の価格を正式に発表する通知を出した。このような行為は、違法な臓器移植を容認していると考える専門家もいる。

 河南省地方紙「鄭州晩報」は3日、河南省衛生健康委員会、省財政局、省市場監督管理局など6つの部門が共同で、省内の臓器移植に使われる人体臓器の価格を発表したと報じた。公式は、臓器提供は自発的かつ無償であり、臓器自体はプライスレスであるが、臓器の評価、機能維持、検査、保存輸送などの過程で相応の費用が発生すると述べた。

 同通知によると、臓器提供の費用は、大人の肝臓が26万元(約460万円)、子供の肝臓が10万元(約180万円)、大人の片腎は16万元(約290万円)、両腎は23万元(約410万円)、子供の片腎は10万元(約180万円)、両腎は15万元(約270万円)となっている。そのほか、心臓10万元(約180万円)、片肺8万元(約140万円)、膵臓5万元(約90万円)、小腸5万元(約90万円)、片角膜1万元(約18万円)。 上記の子供は、18歳未満の未成年者を指す。

 専門家「これは違法な臓器移植にゴーサインを出している」

 ラジオ・フリー・アジアによると、当局が違法な臓器移植にゴーサインを出していると考える学者もいる。中国の医療機関に詳しい時事評論家の蔡慎坤氏は2日のインタビューで、長期にわたって中国で臓器移植手術が行われ、臓器が入手しやすく、価格も比較的低いため、多くの海外の患者が中国で臓器移植を受けているが、中国での臓器移植は不透明な部分が多いと述べた。

 蔡氏は、過去に多くの臓器移植手術で使われていた臓器の出所が不明だったが、当局が現在、人体臓器のコストを公開することにより、犯罪者には無謀な犯罪が起こりやすい。

 このような価格設定に対して、ネットユーザーから疑問視するコメントが殺到した。

 「このような臓器への価格設定は、まるで健康な成人の総価値が100万元(約1800万円)近くになると主張しているのではないか」

 「これでは、将来、臓器を得るための殺人という新職業が現れるのではないか」

 「将来、医師の救急を必要とする時、医師が本当に命を救わないかもしれない。臓器をむさぼることになるかもしれない。今までやれる勇気がなかったかもしれないが、今では明確に価格が提示されているので、揺り起こされる邪悪な勇気がないと言えるだろうか?」

 法輪功迫害追跡国際調査国際組織の責任者いわく「犯罪を隠すためだ」

 法輪功迫害追跡国際調査国際組織(WOIPFG)の代表、汪志遠博士は、中国共産党(以下、中共)が臓器の価格を公表するのは、2つの目的があると述べた。1つは、違法犯罪を公式に合法化するためである。価格が明示されていると、ビジネスアイテムの1つになる。もう1つは、中共が法輪功学習者の生きたままの臓器を摘出しているという犯罪行為を隠蔽するためである。

 中国の移植臓器の出所がこれまでずっと国際社会に疑問視されている。中共による法輪功学習者への生体臓器狩りが明るみに出た2006年の蘇家屯事件以来、法輪功学習者や新疆ウイグル人など、中国で迫害を受けているグループが臓器の主な提供者であると見なされている。

 汪氏は、臓器移植において中国社会はずっと混乱としており、公式のように明確に価格表示するとさらなる混乱を招くに違いないとした上で、中共は人々の注意をこの方向に導き、中共の組織的な生体臓器狩りの犯罪から目をそらすことができる。

(翻訳・徳永木里子)