北京市にある「国家信訪局」(N509FZ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 中国北京市にある「国家信訪局」の外でこのほど、毎日深夜から訪れる陳情者が長蛇の列を作っています。陳情者は地方当局の圧制を訴えに、 中国各地から訪れ、国に解決策を求めています。

 「国家信訪局」は中央政府機関で、民衆からの告発などの手紙を受けて処理するほか、陳情に来る人への対応なども担当しています。

 汚職が横行している中国では、地方当局の圧制に耐え切れなくなった民衆が、中央政府に希望を託して、よく北京に陳情に来ます。それは「北京が民衆の味方で、悪いのは一部の幹部だ」との宣伝を多くの中国人が信じているからです。 地方当局も悪事がばれないように、陳情にいく地元の人を強制的に連れ戻すため、朝早く「国家信訪局」の所で待機しています。陳情できたとしても、北京も解決してくれないのだと初めてわかる人はきっと少なくないでしょう。

 13日朝7時頃、国家信訪局の前に、冬服を着た大勢の陳情者が見られ、恐らく前夜から並んでいたとみられます。SNSに投稿された動画の中で陳情者が「(陳情者は)相変わらず大勢いる。誰かがほらを吹いている。問題解決率98%だと?」と述べており、実情は違うと指摘していました。

 1999年4月25日、1万人の法輪功学習者も地方政府と公安局が行った信仰弾圧を解決するため、北京に陳情しました。この2日前の23日、天津の警察が地元の学習者の30人を不法に逮捕し、「現地では解決できないので、中央政府へ陳情に行くよう」言われたといいます。当時の朱鎔基・総理は法輪功を習ってもいいと約束しましたが、3カ月後の7月、中国共産党総書記であった江沢民は全国的な弾圧を始めました。

1999年4月25日、中国北京で平和的な集団陳情を行っている法輪功修煉者(minghui.orgより)

 しかも現在も、法輪功への迫害が続いており、被害者は数億人にも及んでいます。約束を簡単に破る中共政権に理性と正当性を求めても何も変わらないのは、昔も今も変わりません。

(新時代Newsより転載)