(Beijing Patrol CC BY 2.0 via flickr

 人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ(Safeguard Defenders)」は中国語版『拘禁:中国の決められた秘密拘置所の監視(囚禁:在中国指定居所監視居住秘密監獄内)』という報告書を公表し、中国で2013年から現在まで、約6万人が密かに拘禁されていることを明らかにした。拘禁された人は中国人だけではなく、外国人も含まれている。その中には、釈放されたばかりのカナダ人のマイケル・スパバ氏とマイケル・コブリグ氏も含まれている。多くの人権弁護士も拘禁されたことがある。

 「セーフガード・ディフェンダーズ」は5日、最新の報告書を公表し、様々なイラストや衛星写真、建物の構成図を通して、中国の拘置所の実態を掘り下げた。

 「セーフガード・ディフェンダーズ」の陳彦廷(ちん・げんてい)研究員は、最新のデータによると、2013年から今年6月までに、約5万7千人が指定された住所に住まわされ、監視されている」と暴露した。

 陳彦廷氏によると、中国共産党は警察に大きな権限を与えている。警察は人々を任意に秘密拘置所に収容し、外部との全ての連絡ツールを遮断し、弁護士や家族との連絡も禁止することができる。さらに、拘置された人の行方を家族にも全く知らせないことで、その存在を消したと同然である。同氏は「法律では拘禁期間を6カ月までと定められているが、実際には4年に及んだケースもある。そのため、中国の公安機関と国家安全機関は、監督を受けない状態で、人を任意に拉致、拘束している。そして、拘禁された人を拷問して、自白させることができ、闇牢獄制度となっている」と述べた。

 同氏はまた、「『セーフガード・ディフェンダーズ』が発表した新たな報告書は、多くの画像を用いて、一目瞭然の形で中国のこの秘密拘置所の闇牢獄制度が、実はすでに人類に危害を及ぼしていることを人々に知ってもらうことができる。国際社会は、このような拉致制度や人権侵害に対して、責任を問わなければならない」と強調した。

(翻訳・吉原木子)