モスクワにあるロシア統一エネルギーシステム(RAO UES)の建物(パブリック・ドメイン)

 ロシア政府はこのほど、北京の要請に応じて、10月に中国への電力供給量を倍増することを確認した。

 ロシアの電能国際会社「Inter RAO」は29日、現地メディアに対し、中国国家電網が今週初めに同国北部の省への電力供給を増やすよう要請されたと発表した。

 ロシアの国営通信社「イタルタス通信」は9月30日、ロシアが2012年に完成したアムール・黒河の高圧送電線を通じて、10月1日から中国への電力供給を大幅に増やすことで、中国東北3省の電力不足を大幅に緩和すると報じた。

 Inter RAOのスポークスマンによると、10月の中国への輸出は、前年比100%伸び、当初の計画より90%増加するという。また、ロシアと中国間の送電線3本すべてが電力供給に使用され、年間最大70億キロワット時の電力供給ができると述べた。

 ロシアの有力日刊紙「コメルサント」は9月29日、中国への電力輸出を大幅に増やすための技術交渉が完了したと報じた。しかし、中国の電力需要は非常に大きく、ロシアの電力供給量が増えても、現状では焼け石に水である。また、ロシアの公定価格政策のため、中国への電力輸出は電能国際会社「Inter RAO」にとってあまり利益にならない。

(翻訳・藍彧)