パトロール中の中国警察官(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 中共はこのほど、国際社会の批判を受けて、「中国こそが民主主義国である」「中国は全過程が民主主義だ」 と豪語していたことを忘れたかのように、国際人権デー(10日)の前日9日に、余文生弁護士の妻・許艶さん、王全璋弁護士などを自宅監禁しました。中共にとって都合の悪い日が訪れると、その関係者らを監視や監禁することが多いです。

 9日6時半頃、余弁護士の妻・許艶さんが息子を学校に送ろうとすると、ドアの外に警察を含む男9人が出口を塞いでいました。許さんが外に出ようとしたところ、男らの妨害で、肋骨が骨折したと思われる怪我をしたといいます。それでも家から出ることが許されず、病院にも行けないようです。

 許さんによると、世界人権デーや中共の都合の悪い日には、毎年このような扱いを受けており、今年ですでに3回も軟禁されたそうです。あと約100日後に余弁護士が出所する予定ですが、こうした厳しい状況の中で、出所しても無事に北京の家に戻れるかも心配だといいます。

 余弁護士は2018年1月、政治改革を求めて憲法改正提案書を公表して逮捕されました。2020年6月17日 「国家権力の破壊を扇動した」として、4年の実刑を言い渡されました。 懲役4年の判決を受け、 投獄中に拷問を受け、身体には大きなダメージを受けています。人権擁護に多大な犠牲を強いられた余弁護士は今年、人権活動家に贈られるマーティン・エナルズ賞(MEA)を受賞しました。

 「中国人権弁護士団」のメンバーである余弁護士はかつて法輪功学習者の人権侵害案件の弁護を数回担当したことがあります。現在、余弁護士とその家族は法輪功学習者と同じく、人権を酷く侵害されているようです。

 このほか、同じく有名な人権派弁護士で、1年前に釈放された王全璋氏も9日の朝、息子を学校に連れて行く準備をしていると、当局の者により自宅の出口を塞がれ、自宅軟禁されました。王全璋氏の妻はTwitterに「朝、ドアを開くと、女2人と男1人がドアを塞いでいた。 全璋は『何をしている? 子どもを学校に送ろうとしているが!』と言うと、女は『私たちが代わりに子どもを送ってあげる』と。私は叫んだ『おかしいでしょう!あなたは誰?知らない人なのに!私の子どもをあなたに渡して、安心できると思うのか?』 全璋は彼らが誰なのか、身分証明書の提示を求めると、男は『どうでもいい。あとで別の人があなたと話がある』と述べた」と投稿しました。

 李和平弁護士の自宅の周辺にも警察の大型バンが2台も止まっていて、監視されていたようです。

 SNS上の弁護士監禁映像のコメント欄には「これは中国式の"全過程が民主主義"だ」と嘲笑のコメントがありました。

(新時代Newsより転載)