女性が路上で射殺された(ツイッターより)

 反政府武装勢力タリバンが政権奪取後、正式な政府を樹立する前に、過去の抑圧的支配を改め、女性を尊重することを約束した。しかし18日、ブルカを着用していなかった女性が路上で射殺されたことが明らかになった。

 ニューヨーク・ポスト紙によると、タリバンが首都を支配して以来、カブールの街は急速に変化し、女性の写真や、女性をイメージした広告が消え始めた。タリバンがアフガニスタンの治安部隊に代わって城内をパトロールするようになってから、外にいるのはほとんど男性で、女性は少ない。

 アフガニスタンのタハール州では、家族と一緒に街を歩いている女性が、ブルカを着用していなかったためにタリバンの戦闘員に射殺された。血の中に横たわっている無残な姿に、家族が跪いてそばで声をかけても全く反応がなかった。タリバンは「圧政はしない」「女性を尊重する」と対外的に堂々と約束し、ブルカ着用を強制しない方針を示したばかりだが、それはきれいな絵空事でしかないことを思い知らされる。

 首都カブールの中心部にある服飾店のオーナーは、男性客は妻や娘の安全を心配して、女性用のブルカを買いに来ているため、最近ブルカの売り上げが急増していることを明らかにした。カブールに住むニラン(女性、27歳)は、市内を車で15分ほど走ったところで、一人の女性も見かけなかったと述べた。「すべてが変わってしまった。未来がどうなるかわからない、まだ仕事のために外出できるかどうかもわからない、すべてが終わってしまったような恐怖を感じる」

 アフガニスタンでは過去20年間で女性の地位が改善され、特に都市部では、仕事に出かける女性が多く、ブルカを着る必要もなくなっていた。しかし、タリバンが政権を握ってから、女性や少女は再び厳しい教義に縛られる。イスラム法(シャリーア)では、女性は通学や通勤ができず、男性なしで家を出ることが許されない。外出する際には、顔をも覆い隠し、網目を通してしか外界を見ることができないブルカを着用しなければならない。

 タリバンは、過去の圧政を改め、女性の権利を尊重することを公に強調しているが、タリバンは言っていることとやっていることが違うと指摘されている。避難しているアフガニスタンの女性は、タリバンが首都カブールを占領する前から、占領した地区の家庭に女性のリストを提出するよう求め、未成年の少女を強制的に結婚させようとしていたと明かした。その結果、娘を持つ多くの家族が逃亡を余儀なくされた。また、タリバンに娘を取られないように、事前に信頼できる親戚や友人に娘を嫁がせる家庭も多い。

(翻訳・藍彧)