フランスの抗議者(ツイッター動画のスクリーンショット)

 ヨーロッパ諸国の中で感染対策を最も厳しく行っているフランスは9日から、「健康パス」の提示を拡大する方針だ。7月31日には各地で計20万人以上は、自由が剝奪された「健康の独裁だ」などと声を張り上げた抗議デモを行った。

 フランスメディア「ル・フィガロ」と「BFM」はこのほど、フランス政府は新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の第4波に備え、7月21日から「健康パス」の提示を実施し、民衆が娯楽施設を利用する度に、「健康パス」の提示を義務化したという。さらに9日から、飲食店や大型商業施設、病院などを利用する際にワクチン接種の終了や検査での陰性証明を記載した「健康パス」の提示を義務付ける方針だ。

 マクロン政権に反対する極右政党「国民連合」などが呼びかけ、パリやリヨン、マルセイユなど主要都市を中心に180を超す抗議活動が発生した。「健康パス」の導入に不満を持つ人が多く、3週連続でデモが行われ。7月31日には、フランス全国各地で20万人以上の民衆が抗議デモを行った。7月24日には16万人、7月17日には11万人がデモ行進を行った。

 今回のデモに参加した民衆は、「政府の政策によって、自由や人権が奪われている」と訴えた。集会現場では、自由と民主主義を守るというフランス人の決意を表す「ラ・マルセイエーズ」を斉唱した。

 デモの横断幕の中には、中国の五星紅旗のマークも現れた。五星紅旗のマークを持った人は「ワクチンの強制接種の問題について、フランス政府が中国共産党と同じような独裁的なやり方をとっているとフランス人が感じている」と語った。

(翻訳・吉原木子)