(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 米国スタンフォード大学のシンクタンク・フーヴァー戦争・革命・平和研究所(Hoover Institution、以下フーヴァー研究所)の最新報告によると、2000年代から、ワシントンの中国大使館と米国営メディア「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」の普通話中国語部門の責任者が年次会議を開くようになり、中国大使館関係者がVOAの報道内容について意見を述べることが許された。

 フーヴァー研究所は11月29日、「中国の影響力とアメリカの利益:建設的な警戒推進(Chinese Influence & American Interests: Promoting Constructive Vigilance)」という213ページの重量級報告書を発表した。報告書は、中国共産党勢力が米国政府や大学、メディア、シンクタンク、企業、華僑コミュニティに完全に浸透していると警鐘を鳴らした。

 この報告書によると、中国大使館ではVOAがイベントを開催したことがある一方、大使館側の活動中にVOAの職員が「中国(中国共産党)に忠誠を誓う」こともあった。また、VOAの職員の中には、中国共産党の工作活動によりVOAは本来のメディア路線から外れ、もっぱらアメリカ式の生活や語学教育に注力するようになったと考える者もいる。

 VOAのデータによると、標準語中国語部門の視聴者は中国本土で一週間に4000万人いる。

 事実、かつてVOA中国語部門の責任者であった龔小夏氏も、VOAには以前から報道で触れてはいけない「レッドライン」があることを公表した。つまり、VOAでさえ中国共産党が嫌う「敏感な話題」を報道することができなかったのだ。

 龔小夏(Sasha Gong)氏は自身のツイッターで次のように書いている。「私がVOAに入るまでは、法輪功問題やチベット独立、新疆独立、台湾独立などの活動を報道すべきではないという厳令がありました。 私がVOAに入ると編集者たちはこの命令のことを私に相談してきましたので、この命令を撤廃しました。私は前任の責任者に、このような命令があったのか聞いたことがあります。彼は正面から答えず、ただ記者の中には中国にとって不公平な報道をする者がいる、その中には読者に大好評だった斉之豊記者も含まれていると話しました。」

 VOAは米国議会の資金提供を受け、放送総監督庁(Broadcasting Board of Governors,現在は米国グローバル・メディア・エージェンシーUSAGMと改称)の監督を受けている。自由主義を世界に広める使命のもと、世界の様々な国に配信している他言語メディアである。

(翻訳・柳生和樹)