中共の戦狼外交官ら(大紀元合成写真)

 中国共産党(以下、中共)の習近平総書記が5月末、中国の外交官に「信頼できる、愛すべき、尊敬すべき」イメージを作るよう要求したことが、海外の専門家の間で話題となりました。

 米国のシニアジャーナリストは、中共の戦狼の遺伝子は、中共自体に根ざしており、変えられないと考えています。

 ブルームバーグのジャーナリストであるピーター・マーティン氏は、ボイス・オブ・アメリカのインタビューで、「戦狼外交」は現代の新しい産物ではなく、中共の本質に根ざしたものであると述べました。中共の政治体制と外交の伝統こそが、国際舞台での外交官の奇怪な行動を生み出していると考えています。

 戦狼の行動は、中共体制と自分の政治的野心への恐れから生じており、習近平への忠誠心を証明するため、より強硬で、好戦的な姿勢を取っている時さえあります。更に、「弱い」と思われるのを避けるため、時折、外国の指導者を厳しく非難するのだとマーティン氏は分析しました。

 同氏は、中共の外交官は常に事前に用意した要点を繰り返し、中共の立場に立っており、海外の観衆に対するものではなく、国内の観衆に聞かせるものであると述べました。また、制度上の制限から、中共の外交官は、交渉や外交イベントで聴衆のさまざまな反応に合わせて、コミュニケーションスタイルを即興で変化させることが難しいのです。これらの外交官は、プライベートでは落ち着きがあり、複数の外国語を使いこなすが、記者会見や公式会議では非常に堅苦しいイメージを与えています。これは、中共の外交官の二面性を示しており、中共の体制では、自由な考えや独立した行動は許されないことになっています。

(翻訳・徳永木里子)