文部科学省は、中国共産党が出資する孔子学院がプロパガンダの一環であることを懸念し、大学キャンパス内で運営されている孔子学院を調査すると同時に、資金源や学生数、及び大学の研究に干渉してないかなどの情報開示を大学に求める方針を発表した。

 孔子学院は2004年から世界各地の大学などの機関で設立されて以来、現在は世界160以上の国と地域に550以上分校を持ち、中国語などの普及を目的としている。しかし、同機構は、中国共産党の政治的プロパガンダに利用されていることが世界的に懸念されている。日本にも早稲田大学や立命館大学など、14の大学に孔子学院が設置されている。

 「防衛研究所」は今年3月、『東アジア戦略概観2021』を発表し、孔子学院は米国から「安全保障上の脅威」と見なされていると明記した。

 参議院文教科学委員会が5月13日に開いた諮問会議で、有村治子元内閣府特命担当大臣は、孔子学院は「諸外国から安全保障上の脅威とされている」とし、キャンパスでの「言論・思想・学問の自由」を維持するためにも、文部科学省は現状を把握すべきであると発言した。また、孔子学院の透明性を高めるための自己管理を大学に促すべきだとした。

 これに対し、 萩生田光一文部科学大臣は「孔子学院は透明性のある運営を行う必要がある」と認めた上、「独立的な研究活動が阻害されないよう、関連部門と協力し、事態の発展に引き続き注目し、孔子学院を設置している大学には、組織運営や教育研究内容の透明性を高めるための情報開示を促していく」と述べた。

 米上院は今年3月、孔子学院に対する規制を強化する法案を可決した。また、オーストラリアは昨年12月に連邦法が可決し、各大学が外国の政府や機関と締結した協定がオーストラリアの国益に反する場合、外務大臣は協定を取り消す権限を有すると定めた。

 各国の行動を鑑みて、産経新聞は、日本が孔子学院の運営に透明性を求めることは正当であると報じた。

(翻訳・藍彧)