トランプ前米国大統領が5日夜、ノースカロライナ州で開催された共和党の集会で、複数のテーマについて長い演説を行った。今回のイベントは、トランプ氏が1月にホワイトハウスを離れて以来、初めて公の場で姿を見せた。演説の中で、同氏は、世界各地で命や財産に深刻な被害を与えている新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)のパンデミックについて、中国共産党(以下、中共)に「責任」を負わせるよう呼び掛けた。

 トランプ氏は演説の中で、「共産主義中国」「中共」を繰り返し直接名指ししていた。これは彼の公の演説では稀である。これまでは、中共政権を「中国」と呼んでいたが、このようにはっきりと表現したのは今回が初めてであり、中国を支配する中央権力機構である「中共」を直接非難した。

 また、より良い米国と世界を築くためには、「中共に立ち向かわなければならない」と述べた。「昨年、中国は、私が『チャイナ・ウイルス』と呼ぶウイルスで、米国に推定16兆ドル(約1750兆円)の経済的損害を与え、数十万アメリカ人の命を奪った。世界で何が起きているかを見てください。我々だけではなく、これは世界的(な災難)でもある」

 更に、米国と全世界が声を揃えて、具体的な行動を起こして中共の責任を追及することを呼び掛けた。「現在ようやく米国と世界が、中共に賠償金を要求し、責任を取ってもらう時が来た。我々は、中共に代償を支払ってもらうよう、声を揃えて宣言すべきだ。彼らは賠償金を支払わなければならない」

 トランプ氏は「米国は、中国製のすべての商品に対して100%の関税を段階的に課すため、直ちに措置を講じるべきだ」と主張した。全世界が一致して中共をボイコットする重要性を強調した。「中国だけではなく、他の国々にも言っているのだ。なぜなら、中国は他の国を経由して販売することを知っているからだ。彼らはとても狡猾だ」

(翻訳・徳永木里子)