中国・四川省雅安市漢源県(かんげんけん)では14日、28トンの黄りん(黄燐)を積んだトラックが横転し、黄りんが漏れて自然発火し、有毒な白い濃煙が空気中に広がっていた。漢源県全体が白煙に覆われており、パニックに陥った人々が逃げ回った。当局は、火事は消火され、死傷者はいないと発表した。

 現地メディアの報道によると、14日15時に攀枝花から楽山に向けて黄りん28トンを運搬していたトラックが漢源県で横転し、黄りんが漏れて自然発火した。現在、火事は消火され、現場では交通規制が実施され、周囲の人々が避難しており、死傷者はいない。

 ネットユーザーが投稿した動画には、黄りんを載せたトラックが道路で横転し、猛毒の黄りんが漏れ出して大火事となり、濃い白煙が空気中に広がっている様子が映っている。 広い範囲が猛毒の白煙に覆われていた。近くの住民はパニックになり、命がけで逃げた。

 資料によると、白リンとも呼ばれる黄リンが最も毒性が強いとのこと。微量の吸入で致死する可能性がある。高濃度の黄りん蒸気を吸入してから数時間後、または黄りんに火傷した後、約1日から10日の間、頭痛、めまい、倦怠感、食欲不振、吐き気、肝臓部の痛みなどの症状が現れる。さらに、肝機能の異常を伴う肝臓の腫れや圧迫痛は、急性軽度の中毒性肝疾患の症状である。血尿、タンパク尿、尿細管現象などの症状は、急性軽度の中毒性腎症腎疾患に一致する。

(翻訳・徳永木里子)