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 上海市の防疫ステーションで働いていた女性医師が、5月24日に中国製ワクチンを接種した後、高熱、肝機能障害、癲癇(てんかん)などの複数の症状を発症し、MRI(核磁気共鳴)や腰椎穿刺(ようついせんし(注))などを行っても原因が見つからなかったことをウェイボー(微博、Weibo)で明かした。女性医師は「誰もが予防接種に適しているわけではない」と警告した。

 女性医師は11日、中国製ワクチンを接種した後、一連の症状が現れて体調が悪くなったとウェイボーで打ち明けた。女性医師によると、ワクチンの予防接種を強要したのは病院の医務科と漢方医の課長で、ウィーチャットには証拠としての対話記録が残っているので、法的手続きをとっても怖くないという。最も権威のある上海崋山病院の「ワクチン接種後に引き起こしたてんかんである」という診断結果をウェイボーに掲載した。

 掲載した内容によると、彼女は6月18日にワクチン接種後の状況を投稿していたという。「5月24日、中国製ワクチンの1回目の接種を受けた後、40度の高熱が出て、肝機能障害を発症した。6月11日には失神し、6月14日に再び気絶して、てんかんに似た症状が発症した。腰椎穿刺、脳波図、MRI(核磁気共鳴)を受けたが、原因不明」

 同医師はまた、「誰もがワクチン接種に適しているわけだはない。政府は提唱しないでほしい。副反応の発生率は国にとってはただの数字であるが、家族にとっては全てだ」とウェイボーで呼びかけた。

 同医師は、ワクチンに対する副反応をインターネット上で公開した後、多くの罵声や質問を受けた。現在、彼女はすでにウェイボーを削除したため、今の病状は不明である。

 中国当局の統計によると、これまで中国では18.2億回分のワクチンを接種しており、完全接種者数は2.23億人となり、接種率は世界で1位となっている。しかし、他の国と違って、中国メディアは、これまでワクチンの予防接種による副作用や死亡例を報道していない。インターネット上で国産ワクチンの予防接種による副反応のニュースが出るたびに、当局は書き込みの検閲による削除、世論操作、当事者との面談などの手段を取っている。

(注):腰椎穿刺(ようついせんし)とは、脊髄のクモ膜下腔に針を刺し、脳脊髄液の圧測定や採取、薬液やアイソトープ注入などを行うこと。

(翻訳・吉原木子)