浙江省紹興市にある杭州・寧波運河の上で8日、橋建設中の半円アーチの梁が川に落ちた動画がネット上で話題になった。現在、死傷者は出ていない。

 中国メディア「新京報」の報道によると、崩壊した梁が川に落ち、現場にあったクレーンを埋めた。

 8日22時28分、紹興市政府新聞弁公室の公式ウェイボー「紹興リリース」によると、8日17時48分頃、越城区霊芝街「杭甬運河」で建設中の杭甬運河東側アーチ橋が局所的に崩壊し、施工会社は江蘇省交通工事グループで、死傷者はなかったという。

 中国メディアの報道によると、同橋は、全長162.3キロメートル、総投資額約368.4億元(約6,237億円)である「杭州・紹興・台州高速道路」という紹興市最大のインフラプロジェクトの一部を構成するものである。工事計画によると、都市部の区間は今年5月末までに建設作業を完了し、6月末までに竣工・検収を行い、開通を予定している。

 近年、中国では橋の崩落事故が相次ぎ、「おから工程(注)」に対する国民の不満が高まっている。昨年11月1日、天津市濱海新区の南環状鉄道の橋がメンテナンス中に倒壊し、7人が死亡、5人が負傷した。

 2019年10月10日、江蘇省無錫市から上海に向かう国道312号線の高架部分が崩落し、3人が死亡、2人が負傷する事故が発生した。当時の中国メディア「澎湃ニュース」は、中国では20年間で83の橋が崩壊しており、建設上の問題が橋の崩壊の最も大きな原因であると報じていた。

 注:「おから工程」とは、中国における手抜き工事の一つであり、強度不足の粗悪なコンクリートを使った工事を指す。崩壊事故につながる原因として注目されている。

(翻訳・藍彧)