オーストラリア連邦のダーウィン港(Bidgee, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons)

 オーストラリアは昨年12月に外交関係法が成立し、すでに締結された協定を見直すことができ、今後の協定に拒否権を行使できるようになった。モリソン豪政権は4月に同法に基づき、北京がビクトリア州と結んだ「一帯一路」協定を破棄したばかりである。また、豪政府は3日、中国企業「嵐橋集団(ランドブリッジ)」とのダーウィン港の99年賃借契約を見直し、破棄する可能性があると発表した。

 これを受けて、中国国家発展改革委員会(国家発改委)は6日公式サイトで、中豪協力に対する豪政府の現在の態度に基づき、中豪戦略的経済対話におけるすべての活動を無期限に停止すると発表した。さらに、最近の一部の豪政府関係者による「冷戦思想とイデオロギーの偏見に基づく」とされた取り組みに不満を表明した。

 ダーウィン港は、オーストラリアのノーザンテリトリー州で最も重要な港であり、太平洋へのゲートウェイであり、アメリカ海兵隊がオーストラリアに出入りする基地でもある。

 オーストラリアの政治学者である林松博士は、海外中華圏メディア『大紀元』とのインタビューで、中国共産党(以下、中共)がオーストラリアなどで行っている領土賃借や投資プロジェクトは、いずれも深刻な軍事的リスクを伴うものであり、中共が香港で行ったことや、戦狼外交の実践は、西側諸国をますます覚醒させていると述べた。

 ダーウィン港の賃借契約を結んだ嵐橋集団は、民間企業となっているが、同社の取締役会議長・葉成は、中国人民政治協商会議(政協)第12期全国委員会委員であり、元軍隊の幹部、中共党員であった。同社内には中共党支部があり、党支部の胡善軍書記も元中共士官である。

(翻訳・徳永木里子)