中国公式メディアの報道によると、28日14時頃、広西チワン族自治区北流市新豊鎮の健楽幼稚園(私立)で殺害事件が発生し、園児16名と保育士2名が負傷し、うち2名が重傷という。公安当局は容疑者を拘束している。

 しかし、現地の情報筋によると、ある男性が妻に離婚したいと言われたため、怒り狂って幼稚園に駆け込み、自分の子供を殺してから、保育士や他の園児を複数人殺害したという。

 ネットユーザーが投稿した動画では、事件後、負傷した園児で幼稚園はまるで地獄のようだった。立ち尽している頭が血だらけの園児もいるし、横たわっている園児もいる。幼稚園に駆け込んで必死にわが子を探している親や、わが子を抱えて幼稚園を飛び出していく親の姿も見られた。

 当局はヒートアップする当該事件を封鎖しようとして、中国のネットユーザーから批判された。

 「これほど重大な事件が、なぜホットワード検索リストから撤回されたのか。実際の状況をリアルタイムで中継しなければならない。現場の地元住民は、複数の死者を見たが、全く報道されていない。国民を馬鹿にしているのではないか。野次馬ではなく、ただ実情を知りたいだけだ」

 「しばしば、自分が大きな精神病院に住んでいるのではないかという錯覚を覚える。ここでは右に出るものがいないほど自信過剰で、阿Q(注)をも上回っている自信がありながら、弱い者にナイフを振り回している。弱者はさらに弱者を虐殺し、強者は『あいつのことは全然知りたくもない、理由はどうであれ、死なせればいい』と言う。私はどんな時代に生きているのか、絶望的な気持ちに陥るのみだ」

 「血まみれの写真や動画、血の中に座っている小さな子供を見て、言葉にならないほどの心の痛みを感じた。親として戦々恐々だ。幼稚園の安全性の取り組みを、国が強化に強化を重ねることを望んでいる。どの子供も家族のすべてを意味している」

 注:中国の作家魯迅の小説『阿Q正伝』の主人公。阿Qは「精神勝利法」と自称する独自の思考法を頼りに、自分に不都合なことでも心の中で都合よく解釈することで、人一倍高いプライドを守っていると描かれている。

(翻訳・徳永木里子)