米連邦最高裁判所のスティーブン・ブライヤー陪席判事(The World Affairs Council of Philadelphia, CC BY 2.0, via Wikimedia Commons)

 バイデン大統領は現在、左翼的なアジェンダを推進するために、連邦最高裁判所(以下、最高裁)により多くのリベラル派判事を送り込み、判事の終身制を取り消すことを計画している。左翼の過激派グループ「Demand Justice(意訳:正義を求める)」は9日、最高裁の拡大に反対しているスティーブン・ブライヤー陪席判事の即時辞任を求める新たな運動を開始した。

 1994年にビル・クリントン元大統領によって任命されたブライヤー判事(82歳)は、リベラル派最高裁判事3人のうちの1人であり、最高齢の判事でもある。オバマケア(医療保険制度改革法)や中絶、同性婚を支持し、トランプ前大統領の移民政策に反対していた。しかし今回は、バイデン氏が最高裁を拡大することで、最高裁の判決に対する国民の信頼が損なわれると考えている。

 バイデン氏は、最高裁判事に初の黒人女性を任命すると表明した。極左派の人々は、民主党がバイデン氏の指名候補を承認する前に、ブライヤー氏が上院を共和党の手に渡す危険を冒すのではないかと懸念している。故ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事は以前、リベラル派やオバマ元大統領からの引退要請を拒否したため、最終的にトランプ前大統領はギンズバーグ氏の死後、保守派のエイミー・コーニー・バレット判事を任命することに至った。

 また、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は9日の定例記者会見で、左翼団体から攻撃を受けたブライヤー判事のために弁護をしなかった。

(翻訳・徳永木里子)