米アントニー・ブリンケン国務長官、ジェイク・サリバン大統領補佐官、中国の楊潔篪共産党政治局委員と王毅外交部長(パブリック・ドメイン。王毅の写真:Cancillería del Ecuador from Ecuador, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons)

 米アントニー・ブリンケン国務長官とジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、中国の楊潔篪(よう・けつち)共産党政治局委員と王毅外交部長は18日から19日にかけて、アラスカ州アンカレッジで「2プラス2」会談を行った。ブリンケン国務長官は米中両国の対話が難航することを予想していたとし、実際の状況は予想通りだったという。

 会談前日、米国務省は香港の民主活動家を弾圧した北京と香港政府関係者24人に対する制裁を宣言した。

 ブリンケン国務長官は会談の冒頭で、中国共産党政権の多くの行為が世界の安定を維持する規則と秩序を脅かしていると非難した。

 ジェイク・サリバン補佐官は「我々は衝突を引き起こしたくないが、激しい競争は歓迎する。我々の原則を堅持し、我々の国民と我々の友人を守る」と述べた。

 これに先立って開かれた日米豪印戦略対話では、米国の同盟国を含む隣国にさまざまな分野にわたり、中国共産党が脅威を与えている問題について、解決策を模索した。

 楊潔篪外交官は、会談前に「米国の人権はどん底にある」とし、「黒人は虐殺され、米国側は自国内の問題を先に処理すべきだ」と強く反発した一方で、米中両国は冷戦と対立を放棄すべきだと述べた。

 会談期間中、米国代表は中国共産党政権がチベット、香港、新疆、台湾、南シナ海、サイバー攻撃、貿易及び人権など一連の問題について批判した。中国側はこれらを全面的に否定し、問題を米国に突き返した。

 19日会談終了後、楊潔篪外交官と王毅外交部長は記者の質問に答えず、すぐに会議室を後にした。

 ブリンケン国務長官は「我々は中国(共産党政権)に取ってきた多くの措置と、いくつかの問題に対する大きな関心を彼らに伝えたい」、「私たちはまた、我々の政策、優先順位、世界観を明確にしたい」と述べた。

 双方はまたイラン、北朝鮮、アフガニスタンと気候問題について話し合った。経済、貿易、技術の面において、米国は中国側の行為を引き続き審査し、米国の労働者と企業の利益を十分に保護すると強調した。

 楊潔篪外交官は会談後中国メディアとのインタビューで、米中対話が意見の相違を解決する唯一の方法だと述べ、両国には依然として主要な意見の相違があり、今後の意志疎通と交流強化を望んでいると述べた。

(翻訳・柳生和樹)