(イメージ / Sodacan ウィキペディア CC BY-SA 3.0)

 中国共産党政権の太平洋進出に対し、ニュージーランド政府が対策を打ち出した。3月、ニュージーランドは太平洋戦略を転換し、5月には財政予算から約529億円を対外支援金として計上した。外務長官ウインストン・ピータース氏は、今回の決定は前政権が発足した2009年以来最大の変更となる、と指摘した。

 中国共産党政権の膨張に対し警戒心を抱いているのはニュージーランドだけではない。オーストラリアは5月8日、3400億円の対外支援をすると公表した。

 太平洋地域は長らくニュージーランドが支援を行ってきた。シンクタンクLowy Instituteの最新調査によると、太平洋地域に対する援助のうちニュージーランドとオーストラリア両国が占める割合は55%に達する。

 近年では中国共産党政権が貸与型の援助が目立っている。2016年までの10年間の間、中国共産党政権は太平洋地域に対し合計22億ドル(約2470億円)の経済支援を提供してきた。この現状に対し、ニュージーランド首相ジャシンダ・アーダーン氏は、中国共産党政権による貸与型の支援により、太平洋の島国は返済することができないような負債を背負うこととなると指摘した。

(文・黎宜明)