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 香港政府は、北京シノバック・バイオテックが製造した100万回分の新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)ワクチンを購入した。香港は2月26日から接種を開始した。ここ数日、ワクチン接種後に副作用を発症した人が続出している。そのうち、糖尿病歴のある60代の男性は、ワクチン接種後にひどい不調があって病院に送られ、2日後に死亡した。

 香港メディア2日の報道によると、重度糖尿病と肺疾患の既往歴のある男性(63歳)は、2月26日にシノバック製ワクチンを初回接種した。彼は予防接種前後に不調がなく、その後帰宅したが、その1日後、不快感を訴えて病院に運ばれ、ショック症状を起こし、2月28日未明に死亡したという。

 病院は男性が新型コロナウイルスに感染していると疑ったが、検査結果は陰性であった。担当医がカルテを確認したところ、男性が2日前にシノバック製ワクチンを受けたことが判明したため、規定に応じて香港衛生署に報告した。

 衛生署は、より多くの資料を入手して調査や評価をしようとしたが、今のところ、ワクチン接種との関連の有無は確認できないという。本件については、早急に新型コロナウイルスワクチン臨床評価の専門委員会に依頼し、原因の評価を行ってもらい、結果は後日公表すると述べた。

 シノバック製ワクチンは、香港での初の新型コロナウイルスワクチンであるが、第3期の治験データが国際的な医学雑誌に掲載されておらず、香港政府が定めた基準を満たしていないため、香港各界に疑問視されている。

 香港政府の資料によると、3月1日午後まで、予防接種を予約した人は13.5万人、2万人以上が初回接種したという。上記の死亡例以外にも、複数の人が接種後に不調があったと報じられた。

(翻訳・徳永木里子)