ドイツのハンブルク港(User Batintherain on en.wikipedia, Public domain, via Wikimedia Commons)

 ドイツ・ハンブルクとベルギー・アントウェルペンの税関当局は、2月に2回の抜き打ち検査で中南米からコンテナに入ったコカイン23トン以上を押収した。欧州史上最大の密輸麻薬量であり、市場価値は数十億ユーロに相当する、とドイツの税関が2月24日に公表した。

 ドイツ国営放送「ドイチェ・ヴェレ」によると、欧州数カ国の税関のリスク分析に基づき、2月12日にパラグアイからドイツのハンブルクに到着した貨物船の中で、問題のコンテナが不審物としてロックされたという。港のコンテナ検査場を通過する時、塗料の入ったブリキ缶を積んだコンテナは明らかに異常反応が現れた。精密検査の結果、9kgのコカイン1700缶以上が発見された。この空前の大量コカインは、オランダに出荷される予定であった。

 ハンブルク税関局は、ベルギーのアントウェルペンの警察が2月21日、パナマからアントウェルペン港に出荷された木塊(もっかい)を詰めたコンテナの中から7.2トン以上のコカインを押収したと発表した。

 同報道によると、オランダの警察は24日、麻薬の荷受人である28歳の容疑者を逮捕したという。押収された違法品はすべてオランダにある同じ目的地に送られる予定であった。警察は、同容疑者が合計23トン以上のコカインの密輸を組織した疑いがあると判断し、ロッテルダムとその近くの村の住宅2軒を捜索した。

 警察側によると、ヨーロッパで押収された史上最大量のコカインであり、麻薬の闇市場に出回れば、数十億ユーロにもなるという。

 国連の報告書によると、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)の流行期間中に、各国は厳格な封鎖措置を取っており、殺人などの凶悪犯罪が減少したが、コカインの密売にはほぼ影響がなかったという。

(翻訳・徳永木里子)