(Pixabay CC0 1.0)

 カナダ安全情報局のデヴィッド・ヴィニョー局長は2月9日、中国共産党はカナダの機密事項を盗み、カナダ国内の異なる意見を持つ人物に弾圧を加えることで、カナダに全面的な脅威を与えている、と述べた。

 トロント・サン紙によると、ヴィニョー氏は2月9日に国際ガバナンス・イノベーション・センター(the Centre for International Governance Innovation )で行われた講演で、カナダ経済のあらゆる面が敵対的な外国政府の標的になっていると述べ、中でも中国政府とロシア政府が最も懸念されていると述べた。この2つの政府は、カナダの国家安全保障にとって最大の脅威となっているという。

 同氏は、これらの外国勢力に対して最も脆弱なカナダ経済の分野として、バイオ医薬品と健康、人工知能、量子コンピュータ、航空宇宙産業を挙げた。

 ヴィニョー氏はまた、中国共産党が「フォックス・ハント(Fox Hunt、キツネ狩り)」を利用して、カナダにいる政敵を日常的に脅迫していることにも言及している。

 カナダ連邦政府関係者は、「中国共産党は戦略的目標を追求するために、隠密かつ欺瞞的な方法でカナダに影響力を行使しており、中国共産党と特定の国家は、様々な政府機関や非政府組織を通じて、定期的に世界各地にいる自国の居留民を脅迫している。有名な例としては、中国共産党当局の『フォックス・ハント』という行動があり、これは汚職との戦いだと主張されているが、実際にはカナダにいる異なる意見を持つ人物に対して脅迫をしている」と述べた。

 ヴィニョー氏は、「脅されている人たちは、多くの場合、自分たちを守る手段が乏しく、安全情報局を含むカナダの当局にこれらの問題を報告できることに気付いていない」と述べた。

 同氏はさらに、「ファイブ・アイズのような志を同じくする同盟が、同盟国の利益を守るために力を合わせている。そして、カナダの公的機関、企業部門、学術界は、この国家安全保障の脅威に対して、より広い社会的アプローチで力を合わせる責任がある」と述べ、ファイブ・アイズとカナダ国内の協力の重要性を強調した。

 ヴィニョー氏は以前、カナダにおけるロシアと中国共産党の隠密な敵対行為について議会の委員会に説明したことがあるが、これら2つの国がカナダにもたらす脅威について公に言及したのは今回が初めてだと同紙は報じている。

(翻訳・玉竹)

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