「永不夜(The Nevernight Connection)」と題した映画(イメージ:FBI)

 米連邦捜査局(FBI)の公式サイトは9月30日、中国共産党が如何にして米国の国家安全保障当局者を騙してスパイに仕立て上げたのかが分かる「永不夜(The Nevernight Connection)」と題した映画を公開した。

 「永不夜」は26分間のマイクロフィルムで、元米海軍士官が、東南アジア海事研究所(Southeast Asia Martime Institute)で働いていたと自称する中国人男性に情報を騙し取られ、次第に深みにハマり元同僚から海軍機密書類を入手して中国側に渡した。中国・上海に到着後、彼は異変に気付いたが手遅れで、米国に帰国後は裁判で懲役20年を宣告された。

 この映画のモデルになったのは、元中央情報局(CIA)工作員のケヴィン・マロリー事件であるとFBIが語った。マロリーは2017年の上海旅行中に中国共産党の諜報員に米国の国防機密を売った後、2019年5月に懲役20年の判決を受けていた。

 映画の最後には「脅威は本物だ、連絡する前によく考えてください」というメッセージで締めくくられている。一般の人々、特にセキュリティクリアランスを持つ人々に、オンラインで人々に連絡する際には、慎重になるよう注意を喚起している。

 先日、CIAの元トップであるジェームズ・オルソン氏は、ニューヨーク・ポスト紙に、中国共産党はスパイの採用を加速させていると語った。彼は少なく見積もって、活動している中国の諜報員は常に100人以上いる、「ニューヨークは前例のない攻撃を受けている」という。

 米国家防諜安全保障センター(NCSC)ディレクターのウィリアム・エバニーナ氏は、この映画やその他の情報を通して、米国民の防犯意識を高め、未然に防ぐことを望んでいると述べた。

 同作の関連情報は9月に米情報機関に送られ、従業員が虚偽のオンラインプロファイルを識別するのに協力し、脅威の出所を知り、関係機関に不審なメッセージを通報し、標的にされないようにするために、対策を講じることを目的としている。

「永不夜(The Nevernight Connection)」と題した映画:

(翻訳・藍彧)