ジャック・マー(イメージ:World Economic Forum at en.wikipedia / CC BY-SA

 アリババは9月30日に香港証券取引所で最新の取締役会メンバーのリストを発表し、アリババの創設者であるジャック・マーの名前はリストに含まれていなかった。

 同発表によると、アリババの新しい取締役会メンバーには、張勇(取締役会会長)、蔡崇信、武衛、J.Michael EVANS、井賢棟、Kabir Misraのほか、郭徳明と董建華を含む5人の独立した取締役が含まれる。アリババは9月30日の年次株主総会で、現在のCFOである武衛、ソフトバンクのマネージングパートナーであるKabir Misra、及びモトローラシステムズ(中国)のシニアコンサルタントである郭徳明を、それぞれ会社第3組の取締役に抜擢した。新しい取締役会リストにはジャック・マーの名前がなかった。

 関係筋によると、ジャック・マーはアリババの取締役や経営の問題には直接関与していないが、アリババのパートナーズである。

 ジャック・マー(55歳)は2019年9月10日にアリババの取締役会会長を辞任したが、今年までは同社の取締役会のメンバーだった。

 公開情報によると、ジャック・マーは昨年11月26日から今年上半期にかけてアリババの株式の少なくとも20%を売却し、その価値は約430億中国元(約6680億円)。ジャック・マーが保有するアリババの株式の割合は、6%から約4.8%に低下した。

 アリババから完全に身を引いたジャック・マーのほかに、京東商城の創設者劉強東、レノボグループの創設者柳傳志、テンセントの創設者馬化騰、順豊エクスプレスの創設者王衛を含む多くの中国企業は、2019年から2020年の間にすべて自ら設立した会社の重要ポストを辞任した。

 現在、アリババのような超大型中国の民間企業は、中国共産党政権に引き継がれ、次第に中国共産党の企業、いわゆる国有企業になった。

(翻訳・北条)