ドナルド・トランプ(Wikimedia Commons / Shealah Craighead / Public domain)とジョー・バイデン(Wikimedia Commons / Gage Skidmore from Peoria, AZ, United States of America / CC BY-SA

 ドナルド・トランプ米大統領は8月26日、大統領選民主党候補のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領との討論会の前に、自身とバイデン氏に「薬物検査」を行うことを要求した。トランプ氏は、民主党の一次討論におけるバイデン氏のパフォーマンス向上は薬物使用の結果であると考えている。

 トランプ氏は、ホワイトハウスでの『ワシントン・エグザミナー』紙の記者バイロン・ヨーク氏とのインタビューで「今年3月15日のバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員との討論中のバイデンのパフォーマンスは以前よりもはるかに優れていた」と述べ、 その時のバイデン氏の様子に驚いたとし、「薬物検査を要求する」とコメントした。

 トランプ氏はさらに「バイデン氏が一次討論会において(サンダース氏以外の候補に対して)あれほど無力だったのに、バーニー(サンダース氏)に対しては普通だった」と付け加えた。

 記者がトランプ氏に対し、「バイデン氏が薬物を服用している証拠があるのか?」と尋ねると、トランプ氏は「完全に私自身の観察に基づいた考えだ」と答え、「私に言えることは、私は人を観察するのが非常に得意だということだ。私は彼(バイデン氏)の色々な人との討論を観察したが、彼はほとんど無力だった。しかし、バーニーとの討論は、普通のようだった」自身の見解を述べた。

 バイデン氏(77)は8月20日、民主党の大統領候補として正式指名を受諾した。しかし、このところのバイデン氏は重大な失言が目立つ。

 米国世論調査機関の最大手『ラスムセン社』が6月29日に発表した、全米約1000人の有権者を対象に調査したバイデン候補に関する世論調査の結果によると、バイデン候補が認知症を病んでいると思う米有権者が38%を占めた。

 バイデン氏は、今年5月のラジオ番組で、黒人司会者に対し「私かトランプ氏か投票に迷っているようなら、君は黒人じゃない!」と発言し世論を揺るがした。同じく5月のインタビューでも「大統領選挙でジョー・バイデンに勝つ」と発言し、自分が誰かも判らなくなったのかと世間を困惑させた。

 今年の6月のインタビューでは、「米国は1億2千万人が新型コロナウイルスで亡くなった」と述べた。この数字は米国の人口の3分の1だ。

 更にバイデン氏は、先週の民主党全国大会中には、ニュース番組の自己紹介時に、自身を「ジョー・バイデンの夫です」と紹介したが、すぐに失言に気づき、咳でごまかした。

 既に74歳になったトランプ氏だが、「私は、敵意を持つメディアや記者からしばしばトリッキーな質問をされるが、いとも簡単に交わすことができる。しかし、バイデンがそのようなトリッキーなインタビューを受けた場合、きっとプレッシャーに耐えられないだろう」とコメントした。

(翻訳・北条)