キプロス海浜の景色(flickr / dronepicr CC BY 2.0

 先日、半島テレビ(アルジャジーラ衛星チャンネル)が公開した「キプロス公文書」の内容によると、欧州連合(EU)の国キプロスが2017年から2019年の間に1400件の「黄金パスポート」を発行し、そのうち500以上が中国人に発行されたことを示した。

 欧州連合の加盟国であるキプロスは2013年に「キプロス投資計画」プロジェクトを打ち出し、不動産購入などで現地の投資が215万ユーロを超えれば、「黄金パスポート」に申請できる。
 
 半島テレビの記者の調査によれば、「黄金パスポート」を取得しているのはロシア、中国、ウクライナ出身が大多数である。
 
 半島テレビは、約500名の中国人帰化者のうち、不動産会社カントリーガーデンのトップ楊恵妍を含む8人の資料が公開された。フォーブズが公表した2020年世界女性富豪ランキング6位にランクインしており、資産が203億米ドルと予想されている。彼女の資産は主にカントリーガーデンの創始者・父楊国強に由来する。
 
 楊国強は全国政協委員の肩書があるため、他国のビザあるいは永住ビザを申請することは違法ではないが、中国は二重国籍を認めていない。理論上、楊恵妍が2018年10月23日にキプロスの移民ビザを取得してから、中国籍を保留できない。
 
 公開されている情報には、成都市(せいとし)人大代表Lu Wenbin(2019年7月)、武漢市黄阪区(こうひく)政協委員Chen Anlin(2018年7月)、元浙江省金華市政協委員Fu zhengjun(2017年11月)、山東省濱州市政協委員Zhao Zhenpeng(2019年2月)がキプロスのパスポートを取得したことなども含まれている。

 サウスチャイナー・モーニング・ポストはこれらの人物が外国籍であると判明した場合、人大代表あるいは政協委員の資格を取り消されると指摘した。また、国有企業の要職に就いている人も外国人のパスポートを持つことが禁止されているという。

(翻訳・北条)