ポンペオ米国務長官は香港版国安法が「中国共産党の弾圧の道具だ」と非難した。(イメージ:パブリック・ドメイン)

 米政府は金曜日(8月7日)、香港行政長官林鄭月娥を含む中国と香港の政府関係者11人を制裁すると発表した。マイク・ポンペオ米国務長官は、香港当局が香港の自由、民主主義、「一国二制度」を損なうようなことは容認できないと述べた。中国共産党は米国の制裁に報復するため、10日に米国の政府関係者11人を制裁すると発表したが、具体的な制裁措置を発表していない。

 米国が制裁した中国・香港の高官11人は、林鄭月娥(LAM, Carrie)、鄭若驊(CHENG, Teresa)、曾国衛(TSANG, Erick)、鄭雁雄(ZHENG, Yanxiong)、陳国基(CHAN, Eric)、李家超(LEE, John Ka-chiu)、鄧炳強(TANG, Chris)、盧偉聡(LO, Stephen)、夏宝龍(XIA, Baolong)、張暁明(ZHANG, Xiaoming)、駱恵寧(LUO, Huining)である。うち4人は香港業務を担当する中国共産党幹部、7人は香港当局者。

 米財務省のウェブサイトでは、制裁目的で以上11人の中国語と英語のフルネーム、生年月日、住所、身分証番号とパスポート番号などの個人情報を公開している。制裁対象者は直接または間接的に米国で保有する不動産や権益が封鎖され、米財務省の外国資産管理局への申告が必要である。香港進出している米国の銀行の一つはすでに一部米国制裁対象者に関連した口座を停止している。また、2つの中国銀行はリスクとコンプライアンスの要求に基づいて、米国制裁の下で取るべき措置を講じている。

 ポンペオ米国務長官は金曜日(8月7日)の声明で、「中国共産党は、香港と英国の人々に約束してきた50年間の高度な自治を香港が享受できなくなることを明らかにしたため、トランプ大統領は、米国も香港を『一国一制度』と見なし、香港人民の自由を損なう個人に対して行動を起こすと明らかにした」と述べた。さらに、香港版国安法が「中国共産党の弾圧の道具だ」と非難した。

 中国共産党は8月10日、米連邦上院議員のマルコ・ルビオ氏、テッド・クルーズ氏、ジョシュ・ホーリー氏、トム・コットン氏、パット・トゥーミー氏、クリス・スミス下院議員、全米民主主義基金のカール・ガーシュマン会長、米国際問題戦略研究所(CSIS)上級研究員デリック・ミッチェル氏 、ダニエル・トゥイニング国際共和党研究所会長、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのエグゼクティブディレクター、ケネス・ロス氏、フリーダムハウスのマイケル・アブラモウィッツ会長ら11人を制裁対象者とした。

 米政府は7月、新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐり中国共産党幹部4人を制裁したが、中国側が制裁に対抗すると反発したが、具体的な制裁内容は不明だった。

 中国側は2回の制裁で具体的な制裁措置を発表しなかったため、これらの「制裁」は「全く役に立たない」とからかわれた。

 多くのネットユーザーは「もう出すカードがないので、精神勝利的な制裁しかできない」、「3回目、4回目の制裁もあると信じている」、「空気制裁は怖い。武漢肺炎(新型コロナウイルス感染症)を伝染させるのか?」、「こんな頭の悪い政権は初めてだ」「アメリカ人は中国で資産を持っていないのに、どうやって制裁を加えるのか?アメリカで不動産を所有している中国共産党の官僚と違って、彼らは暴露されると多くの人が終わってしまう。見どころ満載だ。民主主義は必ず共産主義の極権を打ち破る」などと投稿した。

(翻訳・藍彧)