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 先月から、中国の長江流域は連日豪雨により、水位が警戒水位を超えてさらに上昇し続けている中、三峡ダムの決壊予測情報が繰り返されている。

 テンセント(腾讯)は7月11日、「すみません、三峡ダムは最善を尽くした!」というタイトルで三峡ダムについて報道した。中国の四大ポータルサイトである網易は「三峡ダムはもう力が尽きた、これ以上責めないで」というタイトルでほぼ同じ内容の報道を出した。いずれも今回の洪水に対し、三峡ダムはお手上げ状態だと指摘し、中国の多くのマスコミに転載された。

 報道には、三峡ダムはここ数週間で長江上流での豪雨による洪水を突き止め、下流を救ったと述べている。しかし、今世紀にも稀な豪雨に見舞われた江西省、安徽省などの地区はいずれも三峡ダムの下流にある。

 「財経縦横」というブログのツイッターに、「もし医師が患者の家族に『最善を尽くした!』と言った場合、家族はどう思うでしょうか?これは死亡通知ではありませんか?」とツイットーされた。

 他にも、「1万年から千年、百年になり、最後に力が尽きたと…」、「万年に一度の洪水にも耐えられると言われたのでは」、「万年に一度の洪水にここ十数年で遭ったぞ」といったコメントが見られた。

 一部の中国のネットユーザーは、中国公式メディアが2003年から2010年の間に「三峡ダムの洪水を防止する能力」についての報道を振り返った。新華社通信は2003年に「三峡ダムはこの上なく堅固で、万年に一度の洪水が防げる」という見出しで、三峡ダムの品質が完璧だと強く宣伝し、さらに三峡ダムの工事基準は完璧であると強調した。

 同通信社は2007年に「三峡ダムは今年から千年に一度の洪水が防げる」という見出しで、万年から千年に変わった。2008年には「三峡ダムは百年に一度の洪水が防げる」と、さらに年数を下げた。2010年、中国中央テレビ(CCTV)は長江水利委員蔡其華主任の言葉を引用し、「すべての希望を三峡ダムに託すことはできない」と強調した。

(文・看中国記者黎小葵/翻訳・北条)