(イメージ:YouTubeスクリーンショット)

 第73回WHO総会(ビデオ会議)が18日に開催された。 中国、フランス、ドイツなど複数カ国の指導者が出席し、習近平主席は10分に及ぶスピーチを行った。

 習氏は、中国は公開透明かつ責任を取る態度でWHOに発信してきたとし、新型コロナウイルスが収まってから、ウイルス対抗策を評価し、経験をまとめ、不足を補うことに積極的にサポートすると示した。さらに、2年以内にコロナの影響を受けた国に対し、20億ドルの国際援助の提供、30ものアフリカ病院との契約締結、最貧国家の債務返済の延期、ワクチン開発成功してからグローバルな応用などを述べた。

 学者呉強(ウー・チャン)は、これらの措置は「一帯一路」の応急バージョンであり、過去数か月中国が取ったマスク外交の延長戦にあると指摘した。すなわち経済戦略を持ち出して、ウイルス情報隠蔽による国際けん責を逃れる対策である。これに対し、オーストラリアを始め、 欧州連合(EU)と英国、日本、ロシア、カナダに加え、アジアやアフリカ諸国など122カ国が支持した新型コロナウイルスに関する「独立した調査」を求めることが注目を集めた。

 習氏の発表は微博(ウェイボー)で公開され、瞬く間に数万件の反論を呼んだ。しかし、「賛同する」以外のコメントはすべて削除された。

 反論した中国のユーザーは「悲しいことに中国人自身でさえ病気を治すお金がないのに、どこから国際社会に援助するお金があるのだか。憎たらしいことに五毛(注1)がそいつらの政策に拍手をしている」と語った。

 海外のツイッターなどでもコメントが多数寄せられた。

「自分のお金を出したらどうだ!20億ドルってだれの同意を得たの?なんでそんな太っ腹ぶっていられるの?」

「自分に都合のいいように国際組織を育成する気だね」

「他人の手助けするお金あるのに、身内の人の問題を解決するお金がないんだ」

「中共専用のWHOかな?」

「習近平はお金であと始末しようとしているぞ」

 アメリカ在住学者呉祚来(ウー・ズオライ)は「援助を賠償代わりにしようとしてる。賠償リストを作るべきだ」とコメントした。

注1:五毛とは中国共産党支配に有利なインターネット世論を誘導する人を指す。ひとつのコメントに5毛(約7円)支払われることに由来する。

(看中国記者・林中宇/翻訳・北条)