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  米ホワイトハウスは中国の両会(全国人民代表大会と中国人民協商会議)の前に対中国戦略報告書を発表した。ラジオ・フランス・アンテルナショナルの分析によれば、これはトランプ政権がついに北京に対する圧力戦略を公開的に采用し、中国の経済、軍事、政治などの多数の分野における拡張を抑制する狙いの表れだという。

 ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、トランプ大統領は20ページの「米国の中華人民共和国に対する戦略指針(United States Strategic Approach to The People’s Republic of China)」を火曜日(19日)に署名した。そしてホワイトハウスは水曜日に国会に提出した。

 米国は過去20年間、中国の市場開放を推進し、中国への投資を増やし、米国のハイテク技術を移転すれば、中国がより自由で開放された国家になるだろうと考えていたが、結果は正反対だった。ボイス・オブ・アメリカが報告書を引用して伝えた。

 1989年の六四天安門事件から30年が過ぎた。中国共産党は更に独裁的になり、その「大外宣(対外プロパガンダ)」運動で更に強くなった。

中国は国際体制を変えようとしている

 報告書によると、40年以上を経て、米国は明らかに中国共産党を過小評価してきた。「この20数年間、中国の改革は減速し、停滞し、後退してきた。」

 報告書によると、中国は世界の自由と開放を利用しており、「自国に有利な方向で国際体制を変えよう」としており、また「経済、政治、軍事力を使って民主国家に声を出せないようにしている」とし、このようなやり方は「米国の重要な利益を傷つけている」「世界各国の主権と個人の尊厳を傷つけている」と報告した。

ホワイトハウス「中国との関係は象徴的な役割に過ぎない」

 同報告書によると、トランプ政権が北京との接触を「象徴性と装飾性」の役割に過ぎない、「何の価値もない」と指摘した。

 米国はASEAN(東南アジア諸国連合)、日本、インド、オーストラリア、韓国、台湾との協力強化を望んでいると報告書は伝えた。ASEAN、日本、インド、オーストラリア、韓国と台湾の戦略理念や米国には共通点が多く、協力をさらに検討できると指摘した。

 米国のポンペオ国務長官は水曜日(20日)の記者会見で、中国は1949年から残忍な共産政権に支配されてきた、と話した。米国はこの政権を変えることを望んでいたが、このような希望は叶えられなかった。武漢肺炎の流行により、米国は中国共産党を徹底的に見抜いた。そして、「我々は、北京がイデオロギーや政治的に自由国家に政治的な敵対の度合いを過小評価している。全世界がこの事実を直視している」と話した。

 ポンペオ氏はさらに、中国政府の感染発生期間中の様々な行動を挙げている。中国軍は、南シナ海の国際水域でベトナム漁船と衝突し、マレーシアのエネルギー探査会社を脅かし、一方的に禁漁を宣言した。

 また、オーストラリアはウイルスの出所を独自に調査するよう求めたが、中国共産党に経済報復で脅された。ポンぺオ国務長官は、米国は北京のこれらの不法行為を非難すると話した。

(翻訳・柳生和樹)