(イメージ:YouTubeスクリーンショット)

 中国共産党ウイルス(新型コロナウイルス)は武漢での爆発的な感染拡大後、瞬く間に全世界に拡散した。5月18日時点では全世界で482万人が感染し、31万人が死亡した。この状況において、中国で武漢肺炎から回復したある事例が注目を浴びている。その患者は体外式膜型人工肺(ECMO)を62日間使用したあと、病院で肺移植手術を受けた。

 コロナウイルスからの回復という、人々に希望を与えるかと思わるこのニュースは、なぜ疑問にさらされているのだろうか。

 中国共産主義青年団の機関紙「中国青年報」等の報道によると、2月7日、65歳の崔安(仮名)という人物は武漢肺炎と診断され、11日後に体外式模型人工肺による治療を受けた。しかし医療機器なしでは呼吸ができなくなっていたため、4月20日、肺移植国家専門チームによる両肺移植を受けた。チームのリーダーは陳静瑜医師で、そのほかにも武漢大学人民医院胸部外科の黄傑教授、心臓外科の王志維教授、麻酔科の夏中元教授など数多くの専門家が参加した。現在、崔安の病状は安定し、武漢大学人民医院の特殊隔離病室で治療を受けているという。

 この事例について、様々な憶測が出ている。あるネットユーザーは、中国国内で人工肺による治療を受けようとすれば一日に約2万人民元(約30万円)かかる、単純計算すれば、崔安はすでに124万人民元(約1870万円)払ったことになると計算した。そのうえ緊急事態でもすぐさま臓器移植ができたから、この人物はきっと並大抵ではない身分なのだろうと推測した。

 ネットユーザーたちも盛んに議論を交わした。
「武漢では何千何万もの患者が自宅で待機せざるを得ないのに、この人物だけこれほど優遇されるのはなぜか。」
「肺の移植だって?他人の命を犠牲にしていないことを祈るよ。共産党は邪悪だからね。」
「これほど早く適合するドナーをどうやって見つけたのだろうか。これは中国が生きたまま臓器を摘出しているという外国メディアの報道を裏付ける証拠ではないか。」

 中国では肺移植の件数が極端に少ない。なぜなら、一般人が手術費用と術後の療養費用を賄えないだけでなく、ほかの臓器に比べて、中国で健康な肺ドナーを見つけるのは困難だ。

 さらに、中国の臓器強制摘出について調査を進める追査国際(WOIPFG)は、この度の手術に参加した陳静瑜医師に良心犯から臓器を強制摘出した疑いがあるとして捜査している。

 陳静瑜はかつて、中国が臓器移植大国だと鼓吹した。彼はソーシャルメディアにて、人民医院の移植用の肺は「善良なる贈呈」からきていると投稿した。しかしデータからわかるように、自主的にドナーになる中国国民は非常に少数である。人民医院は必要とする移植臓器をすぐさま入手することができるため、臓器の出どころは不透明であり、良心犯から摘出しているのではないかとの指摘もされている。

(翻訳・山上一龍)