イメージ:makaron* / PIXTA(ピクスタ)

 『ウォール・ストリート・ジャーナル』5月3日の報道によると、米国連邦機関である国立労働安全衛生研究所(NIOSH)が近日、輸入したN95医療用マスクを検査したところ、中国などから輸入された百万枚ものマスクが基準を満たしていないという。

 NIOSHの試験結果によると、およそ6割を占める67種類の輸入マスクは、それぞれ10枚のサンプルのうち、少なくとも1枚が米国の基準を満たしていなかった。そのうちの1枚は許可なくパッケージに米国食品医薬品局(FDA)のロゴを勝手に載せたうえ、35%の粒子しかブロックできなかった。また、もう1枚は50%しかブロックできなかったという。

 実際、カナダ、ベルギー、オランダ、及びフィンランドなど多くの国々は最近、中国から調達された医療用品が品質に大きな問題があり、使用できないという苦情が相次いでいる。あるドイツのメーカーは中国から購入したマスクを「ゴミだ」と強く批判した。欧州連合の「非食品製品警告速報システム」も、先月公告で「厳重」と警告される製品には、4種類の中国製マスクが含まれている。

 新唐人テレビ5月5日の報道によると、安徽省の安慶市はマスクの産業拠点で、安慶市の管轄下にある桐城市(県級市)はかつて一夜に数百ものマスク工場が新規に建てられた。しかし現在、その多くは閉鎖されている。

 現地の業界関係者によると、マスク製造機器とマスクの原材料の価格高騰、及び海外でのマスク検査基準厳格化による輸出困難が重なり、工場が閉鎖され労働者が失業している。ネット上のある動画には、安徽省安慶市のあるマスク工場が閉鎖された後、売れ残したマスクの在庫が山積みになっている様子が映っている。

 ツイッターアカウント「冷山時評」は書き込みで、「マスク工場が倒産し、マスクは紙以下の価値になっている。これは中国のマスク外交の破綻の証であり、今後の『中国製』の行く末でもあるのだ。当初中国はマスクで世界をぼったくりしていたが、その後アメリカは自給自足ができ、台湾は輸出できる余裕もできた。当面、世界的に肺炎の流行は収束しつつあり、中国の膨大なマスク生産能力は完全に放棄された。まさに欲張りへの代償だ」とコメントしている。

(翻訳・常夏)