法輪功の学習者らは9月20日(日)に大阪で、21日(月・祝)に京都で、それぞれ大規模なパレードを行い、中国共産党(中共)による27年にわたる法輪功への迫害の停止を訴えた。国会議員や地方議会議員、人権団体の代表からは激励のメッセージが寄せられた。沿道では多くの外国人観光客が行進に目を留め、スマートフォンで撮影したり、配布されたチラシを手に記念撮影をしたりする姿が見られた。

 パレードは大きく三つの隊列で構成された。先頭のマーチングバンドはトランペットやサックス、ドラムなどで編成され、演奏者は全員が学習者だという。その後ろに「真・善・忍」や人権に関するメッセージを掲げた旗の隊列が続き、最後尾を中国伝統の腰鼓隊が務めた。主催者によると、パレードは音楽を通じて法輪功の魅力を伝えるとともに、中国で今も続く迫害を広く知ってもらうことを目的としている。

 隊列には、中国で不当に拘束されている学習者の邱秀萍(きゅう・しゅうへい)さん、王乖彦(おう・かいげん)さん、鍾芳瓊(しょう・ほうけい)さんの家族も加わり、横断幕を掲げて中共当局に3人の即時釈放を求めた。

議員・人権団体代表が激励「この活動を止めてはいけない」

 自由民主党の石橋林太郎衆議院議員は、大阪でのパレード当日となる20日付のメッセージで、「中国共産党の蛮行を決して許さない」という思いを共にする仲間として、参加者に感謝の意を表した。石橋議員は、地元・広島で強制臓器収奪の問題に取り組み始めて9年になるとし、取り組みを始めた当時と比べて問題への認識は高まり、渡航移植の問題も報道されるようになったと指摘した。一方で「国際社会と比べるとまだまだ」として、引き続き世論を喚起していく考えを示した。また、ウイグル、チベット、南モンゴルにおける人権侵害や文化破壊についても、決して許すことはできないと強調した。

 埼玉県議会議員の諸井真英氏は、信教・信仰の自由や思想・良心の自由は「人間の尊厳にかかわる普遍的な基本的人権」だと述べ、国家権力が特定の信仰を理由に人々を弾圧することは許されないと指摘した。強制的な臓器摘出をめぐる疑惑についても、徹底した検証と真相究明を求めた。

 江東区議会議員の二瓶文隆氏は、1999年以来、四半世紀以上にわたり迫害に屈せず信仰の自由を訴え続けてきた学習者らの「不屈の精神」に敬意を表した。そのうえで、「臓器狩り」は特定の集団にとどまらない「普遍的人権の危機」だとし、日本から平和的な活動に協力していく姿勢を示した。

 「中国における臓器移植を考える会(SMGネットワーク)」の丸山治章代表は、『古事記物語』に収められた、国造りの神・大国主命(オオクニヌシノミコト)と小さな神・スクナビコナの物語を紹介した。行く手を阻む大岩に強者たちが挑んでも歯が立たず、皆が諦める中、葉っぱに乗るほど小さなスクナビコナだけは、周囲に笑われながらも一人で掘り続けた。その姿に心を動かされた大国主命が強者たちを奮い立たせ、長い年月をかけてついに道を通したという。丸山代表は「どれほど時間がかかっても、この活動を止めてはいけない」と呼びかけ、生体臓器収奪や人権蹂躙のない世界の実現を訴えた。

「年に一度だけ?運が良かった」外国人観光客も関心

 大阪の沿道では、ポーランドから来たマルチン・シュチュツキ(Marcin Szczucki)さんが同行の女性とともに足を止め、配布資料を手に取った。学習者から、パレードが大阪では年に一度しか行われないと聞くと、「私たちは運が良かった」と笑顔を見せた。パレードの趣旨について説明を受けると、「素晴らしい」と繰り返した。記事は日本語でのみ掲載されると伝えられても、「日本語のできる知人に読んでもらう」と応じた。

ポーランドから来たマルチン・シュチュツキ(Marcin Szczucki)さん(右)と友人(写真撮影:看中国)

 同じくポーランドから訪れたアレクサンドラ(Aleksandra)さんとカロリナ(Karolina)さんは、東京を経て、大阪観光の初日にパレードに出会ったという。法輪功については母国では聞いたことがなかったと話し、カロリナさんは「色彩が目を引く」と感想を述べた。

 米国から来たメアリー・ジョー・マレー(Mary Jo Murray)さんは、五式の功法の説明を聞いて「ヨガのようですね」と関心を示した。中国での迫害について説明を受けると「話してくれてありがとう」と述べ、寄付を申し出たが、学習者は「情報を知っていただくだけで十分です」と丁重に辞退した。

 イタリアから1週間の日程で日本を旅行中のソニア(Sonia)さんは、このようなパレードを見るのは初めてだと話し、「真・善・忍」の理念について「良い価値観だ」と語った。

イタリアから日本を旅行中のソニア(Sonia)さん(写真撮影:看中国)

 デンマークから来たウィリアム(William)さんは、法輪功について「詳しくは分からない」としつつも、迫害の実態を家族や友人に伝えてほしいという学習者の呼びかけには「もちろん」と応じた。

デンマークから来たウィリアム(William)さん(写真撮影:看中国)

 京都でも、各国の観光客が行進に見入った。イスラエルから来たローズ(Rose)さんは、法輪功の功法について「とてもリラックスできそう。私も気に入った」と話した。

イスラエルから来たローズ(Rose)さん(写真撮影:看中国)

 米国から訪れたベサニー・カッツ(Bethany Katz)さんは、「これを見られてとても嬉しい。これほど大きなコミュニティを目にできるのは素晴らしい」と笑顔を見せた。

米国から訪れたベサニー・カッツ(Bethany Katz)さん(写真撮影:看中国)

 オーストラリアから来たジョセフ(Joseph)さんは、母国でも法輪功について聞いたことがあると話し、「迫害は世界のどこで起きても恐ろしいことで、中国であれ他の国であれ、止めるべきだ」と述べた。そのうえで「世界に寛容と平和がもたらされることを願っている」と語った。

オーストラリアから来たジョセフ(Joseph)さん(写真撮影:看中国)

日本の市民「情報を制限するのは良くない」

 日本の市民もパレードに関心を寄せた。買い物のため兵庫県から大阪を訪れていた高橋さんは、パレードを見るのは初めてだという。「行進曲が好きなので、音楽はいいと思う」と話し、中国当局は法輪功だけでなく、チベットやウイグルの人々の自由も認めるべきだとの考えを示した。また、「共産党がいると、日本と中国もなかなか仲良くなれない気がする」と述べた。

兵庫県から大阪を訪れていた高橋さん(写真撮影:看中国)

 中国国内では情報検閲のため、多くの中国人が迫害の実態を知らないとの説明を受けると、高橋さんは「情報を制限するのは良くない。いろんな人が自由に情報を得て考えることが大事だと思う」と語った。

台湾や中国からの声も

 台湾から訪れた高齢の夫婦は、法輪功が迫害されていることは知っていると学習者に語った。「台湾には中国共産党がいないので、法輪功への迫害もない」と述べ、台湾が中共に統治されずに済んだのは「先総統・蒋公(蒋介石元総統)のおかげだ」と話した。

 中国からの留学生の男性は、中国にいた頃から中共の数々の不当な行為を知っており、反感を抱いていたと明かした。来日後、自由に情報に触れられるようになって法輪功の資料を読み、興味を持って煉功を始めたという。「今は公に支持を表明することはできないが、学習者の活動にはできる限りの支援をしたい」と語った。

27年に及ぶ迫害

 1999年7月20日、当時の中国共産党総書記・江沢民は、中国全土で法輪功学習者への迫害を開始した。人権団体や国際メディアの報告によると、27年にわたる迫害の中で、数百万人の学習者が嫌がらせや拘禁、拷問を受けてきたとされる。

 法輪功の情報サイト「明慧ネット(Minghui.org)」によると、1999年7月以降の迫害による死亡者のうち、同サイトが氏名などを確認できた人数は、2026年9月22日時点で5,376人に上る。ただし同サイトは、中共による情報封鎖や迫害の隠蔽性から、この数字は確かな証拠が得られた事例のみを集計した「不完全な統計」であり、実際の死亡者数ははるかに多いとしている。

(取材・竹内優子/撮影・丹丹/文・黎宜明)