最近、上海の街角で撮影された複数の動画がXで拡散しています。生活苦を訴える市民の姿から、街頭での偶然の出会い、そして現地取材まで、経済低迷の圧力の中で暮らす一部の市民の実情が浮かび上がっています。同時に、政府の統計データや公開報道も、別の角度から同様の傾向を裏付けています。こうした事例は、決して孤立したものではありません。
8月31日、Xユーザー「Qiuyao Mo」が投稿した動画には、上海市陳情局の前で、白髪の高齢女性が「ご飯を食べたい」と書かれた横断幕を掲げ、助けを求めて何度も叫ぶ様子が映っています。女性は、病院に行くお金も米を買うお金もなく、生活そのものが立ち行かなくなっていると訴えています。動画では、陳情局の職員とみられる人物が建物から出てきて、周囲の人々が撮影するのを止めようとする様子も映っています。
また、8月25日にネット上で拡散した動画には、上海の街頭で、30歳だという男性が捨てられたゴミ袋の中から食べられるものを探す様子が映っています。通りかかった2人が男性を思いとどまらせようとし、食べ物を買ってあげようと申し出ますが、男性は何度も断ります。このやり取りからは、かつて繁栄を誇った上海でも、一般の人々の生活上の負担が増している現状がうかがえます。
一人の高齢者が生活苦を訴え、一人の若者が捨てられた食べ物を拾っています。この二つだけなら、個人の不運にすぎないようにも見えます。しかし、かつて人や車であふれていた商業地区まで、人影が消え、店舗が空っぽになるような状況になり始めているとすれば、それでも一部の人だけが不運だったという話なのでしょうか。
最近、あるブロガーが上海市中心部を実際に訪れました。以前から陸家嘴(りくかすい)一帯で多くの店舗が閉店していると聞いていましたが、当初は半信半疑だったため、静安区大寧路(だいねいろ)付近にある大型ショッピングモールをわざわざ訪ねました。すると、モール内にはほとんどテナントが入っておらず、地下1階ではビリヤード場1軒だけが営業を続け、それ以外の店舗はほぼすべて閉まっていました。
ビリヤード場の店長によると、この店も実際にはもう持ちこたえるのが難しく、現在、家賃や保証金の問題をめぐってモール側と協議しているため、まだ閉店していないだけだといいます。その後、ブロガーが上の階へ行ってみると、フロア全体が同じように閑散としており、スターバックスにも数人の客がまばらに座っているだけでした。同じような光景は、上海駅のような交通の要衝でも見られています。
こうした複数の動画がネット上で拡散すると、さまざまなコメントや議論が寄せられました。8月31日、Xのブロガー「liqiang gong」は、「GDPはまだ成長している」という言葉だけで安心すべきではないと投稿しました。GDPの成長は、一般の人々の給料が増えることや、不動産価値が維持されること、さらには雇用や暮らしへの安心感が高まることと同じではないからです。
そして今、ますます多くの人が不安に感じているのは、仕事を維持できるのか、住宅価格はさらに下がるのか、商売を続けられるのか、そして自分の資産は守られるのかといった、生活に直結する問題だと指摘しています。
(翻訳・藍彧)
