中国西部の新疆ウイグル自治区にあるムスターグアタ峰で大規模な雪崩が発生し、居合わせた観光客がスマートフォンでその様子を撮影しました。映像には、山頂から斜面を伝って大量の氷雪が流れ落ち、幅百メートル以上、高さ数百メートルの雪煙が壁のようにせり上がりながら谷へ押し寄せる光景が収められています。中国の国営メディアが9月6日に伝えたところによると、現場は人の住まない一帯で幹線道路からも離れており、けが人や建物への被害は確認されていないということです。
ムスターグアタ峰は主峰の標高が7546メートルあり、山頂は一年を通して氷雪と氷河に覆われています。今回雪崩が起きた氷河は一般の立ち入りが認められていない区域で、氷河そのものの活動リスクも高い場所です。地元当局は雪崩の前日にあたる5日にも注意を呼びかけており、この一帯は地形が複雑なうえに天候の変化が激しく、通信状況も悪く救助態勢が整っていないとして、無断で立ち入ることや、観光、トレッキング、撮影といった危険を伴う行為を行わないよう求めていました。
一方、中国南東部の沿岸では、台風が去ったあとにまったく別の「異変」が人々を驚かせました。9月4日の夜、福建省泉州の上空が広い範囲にわたって緑色の光に包まれ、オーロラのような光景が現れたのです。映像では空全体が濃い緑色に染まっていて、夜の闇の中でどこか不気味に映ります。ネット上では「オーロラが南下してきた?」「宇宙人でも来たのか」といった反応が相次ぎ、地震や津波の前触れではないかと不安を口にする人もいました。「泉州の空が急に緑になった」「映画に出てくるあの世もこんな色だよね」「人の世に異変があるときは、空にも異変が出るっていうから」。こうした書き込みが中国のSNSで大量に拡散されました。
地元の漁港運営会社は4日、中国メディアの取材に対し、緑色の光はイカを集めるために漁船が使う集魚灯で、灯りをつけるかどうかはその日の出漁予定によると説明しました。地元の自治体も、空の緑色の光は漁船の灯りによるものだとしています。ただ、この説明で疑問が収まったわけではありません。「台風なのに漁に出るの?」「あんな大荒れの海に出ていく漁船がどこにいるんだ」「じゃあ今までは一度も点けてなかったってこと?」という声が続きました。
ネット上で台風が引き合いに出されたのは、直前に上陸した台風18号の進路がきわめて異例だったからです。8月28日に浙江省へ相次いで2度上陸したあといったん熱帯低気圧に変わりましたが、9月1日の未明に再び台風の勢力を取り戻し、3日には福建省漳浦の沿岸へ3度目の上陸となりました。この台風により、福建省や浙江省など複数の省で大きな被害が出ています。
「異変」への警戒は四川省でも見られました。9月3日の夕方、綿竹の上空に大量の鳥が旋回しながら集まる様子が確認され、大地震と関係があるのではないかと疑う声がネット上に広がりました。地元当局は、鳥の大半はツバメで、南へ渡る準備のために集まっているのだと説明しています。それでも納得しない人はいます。「四川大地震の前も綿竹でカエルの大移動があった。あのときも専門家が正常な現象だって説明したんだよ」という書き込みもありました。
実際、地震は各地で相次いでいます。9月4日午前1時4分、中国北西部の青海省海西州でマグニチュード5.1の地震が発生しました。震源の深さは10キロで、青海、甘粛、陝西、四川の各地で揺れが感じられ、青海のネットユーザーからは「揺れて眠れなくなった。本当に怖かった」という声も上がりました。この一帯では6月16日に発生したM6.3の地震以降、余震が続いており、M5以上のものに限っても6月23日、7月1日、8月19日、そして今回と、少なくとも4回を数えます。
前日の3日にも、四川、チベット、新疆で合わせて5回の地震が起き、うち3回はM4を超えました。3日午後7時39分には四川省北川県でM4.8の地震が発生し、県の中心部でははっきりとした揺れがあったほか、綿陽、徳陽、広元、成都などでも揺れを感じたという報告が寄せられています。地震後には自宅の天井や壁に大きな亀裂が入った様子を投稿する人が現れ、住民が設置した防犯カメラにも明らかな揺れが記録されました。四川省の地震当局は、今回の震源は2008年の四川大地震の余震域にあたると説明しています。同じ日、新疆では4時間のうちに3回、チベットでも1回の地震が観測されました。
中国の地震観測当局の情報をまとめると、2026年8月4日から9月4日までの一か月間に、中国国内ではM3以上の地震が少なくとも69回発生し、そのうちM4以上が15回、M5以上が3回を占めています。地域別では四川と新疆がそれぞれ22回、青海が13回でした。これに先立つ6月28日から8月3日までの約5週間では、M3以上が少なくとも102回、うちM4以上が26回、M5以上が8回に上っています。当局が説明を重ねる一方で、身のまわりの「異変」に人々が向ける視線は、以前より鋭くなっているようです。
(翻訳・吉原木子)
