中国のAI短編動画『把人写成了妖(人を妖怪にしてしまった)』が大ヒット
(動画のスクリーンショット)

 《我这一生最大的罪,是把人写成了妖……(私の人生最大の罪は、人間を妖怪として描いてしまったことだ)》。この「青瓜蛋」が制作したAI短編動画は、現在中国のネットプラットフォームで爆発的な人気を博している。この短編ドラマは8月17日に公開されてから5日で再生回数が1000万回を突破し、8月31日までに1800万回近くまで急増した。現在、中国の動画プラットフォーム「bilibili」でランキング1位を占めている。中国の後漢末期を舞台に、民衆が被った苦難を描き出している。

 この短編映画に登場する人物や物語はすべて架空のものである。主人公の「裴令史」は、後漢の蘭台で典籍や公文書を管理する書記官であり、民間で起こる様々な怪異な出来事を記録する役割を担っていた。彼は調査を進める中で、いわゆる「怪異」と呼ばれる出来事が、すべて重税、暴政、飢饉によって引き起こされた人間の悲劇を反映していることに気づく。

 この短編で最も鋭いのは、「どう書くか」をめぐる対話である。上司は裴令史にこう告げる。「もしそれが人間だと判明すれば、それは『官が民を反乱に追い込んだ』ことになり、朝廷の統治が失墜し、陛下の徳が失われたことになる。もし『妖怪』と書けば、それは『妖道が暴れ回った』ことになる。」その背後にある真意は、もし「官が民を反乱に追い込んだ」と記述すれば、朝廷は支配を維持するために、怪異事件に関与した庶民を処刑してしまうだろうということだ。しかし「妖怪」と記述すれば、朝廷は責任を転嫁する口実を得られ、庶民は難を逃れることができる。庶民を殺戮から守るため、裴令史は事件を妖怪の仕業とせざるを得なかった。これが、彼自身が「人生最大の罪」と呼ぶようになった理由である。

 この短編映画のクライマックスは、後漢末期の農民反乱「黄巾の乱」で締めくくられる。

 反乱の指導者である張角は、「黄天はどこにあるのか? 黄天は雲の上にはない。黄天は、もう二度とひざまずくことを拒む一人ひとりの頭上にあるのだ」と語る。これを受けて、人々は一斉に黄巾軍のスローガン「蒼天はすでに死んだ、黄天を立てよ」と叫び、反抗の幕を開ける。エンディングでは、「後世の人よ、妖を解き明かすには、鬼神に問うのではなく、蒼生に問え」という言葉で作品の主旨がまとめられ、さらに「本作品を、歴史に名を残せなかった人々の追悼に捧ぐ」という字幕が映し出される。

 劇中の「苦しみはあまりにもリアルで、魂や神々の声が必要だ」といったセリフもネット上の議論の的となり、物語は超自然的なテーマから、権力や人々の置かれた状況への考察へと広がっていった。

 ネットユーザーは「もし世の中が本当に平和なら、どうして妖怪など現れるだろうか」と書き込んだ。

 また、「歴史の台本は決して変わっていない。ただ、役者が次々と入れ替わっているだけだ」という声もあった。

 ある人は、郊外の賃貸住宅へ出前を届けた時のことを思い出したと語った。注文内容は、数斤の米と数個の卵だけだった。階下へ降りると、やせ細った老人が屋外のかまどのそばにしゃがみ込んでお湯を沸かしていた。まるで後漢の時代に飢えと苦難に耐えていた人が、千年を超えて現代にタイムスリップしてきたかのようだった。

 また、あるネットユーザーは、「これは晩唐の詩人・李商隠の『哀れなり、夜半に前席を空け、蒼生を問うことなく鬼神を問う』という言葉と同じだ。今の権力者には、私利私欲のために民を愚弄し、搾取するのではなく、もっと庶民のことを考えてほしい」と述べた。

 「比喩として言えば、まさに中国で搾取されている最下層のデリバリー配達員たちにぴったり当てはまる」。

 「何かを暗示しているからこそ、人の心を動かすのだ」。

 「人民を飢えさせてはならない。さもないと反乱が起こる」。

 また、この短編ドラマを風刺文学に例え、「極めて現実的な事柄を赤裸々に描き出した」と評する声もある。現実社会にも、気にもかけられず、失業し一文無しで路上生活を送り、絶望的な状況に陥っている人々が存在するだろうか。

 この作品は「妖怪を通じて人間界を描く」という手法を用い、虚構という衣をまとって社会最底辺の生存の苦境を映し出し、現代社会に生きる人々に強い共感を呼び起こしている。作品の中で、声は合成され、顔は生成されているが、これもテーマの延長線上にある。つまり、人間の言葉が通用しないなら、非人間に語らせればいいのだ。

 あるネットユーザーは、この題材を実写ドラマにすれば、中国共産党当局の検閲を通過することはほぼ不可能だが、AI短編ドラマなら「架空の怪談」という外見を装うことで、センシティブなテーマを回避できるとコメントした。同ユーザーは「ドラマでは制作できないものを、AIが担う」と率直に述べた。

 BBCの統計によると、中国のトップ100ランキングにおけるAI短編ドラマの割合は、2025年初頭の7%から2026年初頭には38%へと急増した。現在、中国で配信されているマイクロ短編ドラマのうち、20本中19本は、俳優もカメラも一切使用していない。2026年上半期だけで、TikTokに公開されたAIドラマは22万本以上にのぼるが、再生回数が1億回を突破したのは1000本余りに過ぎない。この動画が注目された主な理由は、現実において人々が口に出せないことを代弁している点にある。

(翻訳・文遠)

《我这一生最大的罪,是把人写成了妖……(私の人生最大の罪は、人間を妖怪として描いてしまったことだ)》のリンク:

https://www.bilibili.com/video/BV1rHbY6MEB9/