まだ完成していない空母と、埋め立てられたばかりの人工島。それなのに軍事専門家からは、早くも「死刑宣告」ともいえる厳しい見方が出ています。本当に戦争が始まれば、わずか数分で機能を失う可能性があるというのです。大げさな予測なのでしょうか。それとも、弱点はすでに見抜かれているのでしょうか。
米国の軍事専門サイト「The War Zone(ザ·ウォーゾーン)」が8月23日に公開した商業衛星画像によると、空母「遼寧号」と「山東号」を手がけた大連造船所で、4隻目の空母「004型」の建造が、これまでにない速さで進んでいます。2024年から秘密裏に始まったとされるこの空母は、すでに船体の長さが約320メートル、幅が約46メートル。全長316メートルの「福建号」を上回り、337メートルの米軍「フォード級」原子力空母に迫る大きさです。船は建造が進むほど喫水線より上が広がるため、完成時の飛行甲板はさらに巨大になるとみられます。
注目されているのは動力です。ワシントンのシンクタンク「戦略国際問題研究所」などは、衛星画像や地上からの写真に、二つの独立した原子炉用防護施設のような構造を確認したとしています。配置は米軍の原子力空母とよく似ており、004型は中国初の原子力空母になる可能性が高いとみられています。艦載機を発進させる電磁式カタパルトや、着艦用の制動装置も搭載される見通しです。
ほぼ同じ時期、南シナ海の西沙諸島(せいさしょとう)でも新たな動きが確認されました。大部分が海に沈んでいた羚羊礁(れいようしょう)は、わずか10か月の埋め立てで、小さな岩礁から面積6平方キロメートルの人工島に姿を変えました。島には大型の軍用飛行場が建設され、中国海警局の船も頻繁に停泊しています。中国当局は「商業·民間目的」だと説明しますが、海南島の海軍基地から296キロという位置にあり、軍事利用が目的だとの見方が強まっています。
ネット上では、こんな声も出ています。
「公海に立ち入り禁止の看板を立てて、監視塔もミサイル発射装置も並べておいて、平和な庭を広げただけだって言ってるようなもんだよ」
見た目だけなら非常に強力です。しかし専門家は、技術面と補給面に明らかな弱点があると指摘します。米軍のフォード級やニミッツ級の原子力技術は、数十年の改良と多くの外洋任務、実戦経験の上に成り立っています。一方、中国海軍には10万トン級の大型水上艦を運用した実戦データがありません。原子炉の安全性や寿命、放射線から乗組員を守る技術には未知の部分が多く、実戦に投入されれば重大な故障や制御不能に陥るリスクもあるといいます。
羚羊礁も、軍事的な価値は高くないとの見方があります。数発の精密誘導ミサイルで滑走路や埠頭、レーダーが壊されれば、拠点として機能せず、補給能力まで失いかねないからです。南沙諸島の人工島群も、激しい衝突が起きれば長くは持たないと以前から分析されています。
そして最大の弱点とみられているのが「補給」です。「The War Zone」は、中国が世界最大級になりうる外洋用の補給艦も同時に建造していると指摘しますが、これは弱点の裏返しでもあります。004型が原子力で動いても、艦載機の航空燃料や大型の弾薬、数千人分の食料は外から運び続けるしかありません。護衛の駆逐艦は通常の燃料で動きます。米海軍が世界各地で長く活動できるのは海外基地の網があるからですが、中国に同じ規模の基地網はありません。
本土から遠く離れれば、動きの遅い補給艦隊も、羚羊礁のような人工島をつないだ長い補給ルートも、米軍の攻撃型原子力潜水艦に狙われやすい目標になります。艦載機を完成に合わせてそろえられるのか、パイロットを育てられるのかという問題も残ります。「福建」の電磁式カタパルトも実戦で運用された実績がなく、004型がより大型のシステムを採用すれば、故障した時の影響も大きくなります。
米軍とインド太平洋の同盟国は最近、対抗の方法を変え始めています。巨大な艦艇同士をぶつける「一隻対一隻」ではなく、長距離兵器と相手の弱点を突く戦術を組み合わせる方向です。米陸軍は第1列島線に射程500キロを超える精密攻撃ミサイルを配備し、移動式発射車両から海上の大型艦を狙えるようにしました。米空軍と海軍もB-1B爆撃機やF/A-18E/F、F-35から、防空ミサイルが届きにくい遠距離で対艦兵器を放つ戦い方を進めています。低価格のドローンや無人艇を一斉に投入して迎撃を繰り返させ、防空ミサイルを消耗させる戦略も重視されています。原子力潜水艦も南シナ海やバシー海峡で偵察や海底地形の調査を続けているとされます。
外交と国際法の面でも、米国やフィリピンなどが、埋め立てによるサンゴ礁や漁場の被害を記録し、国際的な仲裁機関や国連機関に提出しています。専門家は、中国が争いのある海域で建設を続けるほど、ベトナムやフィリピンが米国や日本との関係を強め、「QUAD」や「AUKUS」が南シナ海で活動を強める理由にもなっているとみています。
しかもこれらは、中国経済の低迷が続き、軍需産業の汚職問題もたびたび伝えられる中で進められています。一部の専門家は、国内では求心力を高め、国外には「大国」の姿を示すための側面もあると分析しています。
巨額の費用をかけながら、海に出る前から弱点を指摘される原子力空母。数発のミサイルで機能を失いかねない人工島。大量の鉄と岩礁で造られたこれらは、本当に相手を恐れさせる強力な武器なのでしょうか。それとも、戦争が始まれば逆に狙われやすい巨大な標的になるのでしょうか。
その答えが明らかになるのは、本当の荒波が訪れた時なのかもしれません。
(翻訳・吉原木子)
