中国では今月に入ってから、南部と北部の双方で大雨の被害が相次いでいます。南部では台風の上陸が相次ぎ、沿岸部から内陸部にかけて広い範囲で暴風雨となりました。一方、北京や天津、河北省、そして東北部の遼寧省などでも短時間に激しい雨が降り、各地で警戒が続いています。

 まず南部です。8月24日正午すぎ、台風が福建省泉州市付近に上陸しました。これに伴い、翌25日にかけて福建省の広い範囲で大雨となり、福州や莆田、寧徳、三明などで被害が出ています。特に龍岩市では、6時間の雨量が各地で250ミリに達し、地下駐車場に濁流が流れ込む様子も確認されています。市内では学校や企業が休みとなり、工場の操業や市場の取引も止まりました。

 続いて25日の夜、19号の台風が海南省の沿岸に上陸しました。その後、26日未明に広東省湛江市付近へ上陸し、さらに同じ日の午前中にも再び湛江市付近に上陸しました。1日のうちに2度上陸したことになります。

 広西チワン族自治区では、これとは別に21日から雨が続いていました。台風が近づいたことでさらに雨が強まり、18か所の水位観測所で警戒水位を超えています。崇左市の寧明県では22日から23日にかけて町が広く浸水し、那堪鎮では建物の1階部分が水没しました。屋根の上に逃れた住民の姿も確認されています。

 南部では台風の影響がなお続いています。19号より前に発生した18号は、26日未明に東シナ海へ進み、浙江省と福建省の沿岸に向かっています。27日夜から28日午前にかけて、浙江省の象山から福建省の福清にかけての沿岸に上陸する見通しです。複数の台風の影響が重なるため、中国南部から上海周辺にかけて、雨はもうしばらく続きそうです。

 北部でも深刻な状況が続いています。大気の状態が不安定となり、北京や天津、河北省、内モンゴル自治区、山西省、陝西省、遼寧省などで、ここ数日、激しい雨が続いています。24日未明の北京では、雷を伴う強い雨となりました。住民からは、地面ごと割れるかと思ったという声や、腹に響くような雷の音で目が覚め、その後は眠れなかったという声も上がっています。25日午後から夜にかけても北京の各地で雨となり、場所によっては強い雨と風に見舞われました。市は6種類の気象警報を同時に出して警戒を呼びかけています。

 遼寧省では24日、大雨警報で最も重い赤色警報が各地に出され、9つの市が緊急対応に入りました。丹東市などでは強い雨が降り続いていて、市街地の冠水や鉄砲水、それに土砂災害への警戒が続いています。

 南北で同時に被害が広がるなか、浸水した街や避難する人たちの様子を写した映像が、中国国外のSNSに相次いで投稿されています。投稿の多くは、冠水や土砂災害の危険が高まるなかでも、救助が追いついていないとする内容です。一方、中国の国営メディアは被害の詳しい状況をほとんど伝えていません。死者や行方不明者の数も、8月27日現在、公式には発表されていません。雨と風はなお続いていて、各地で厳しい状況が続いています。

(翻訳・吉原木子)