最近、中国本土はまれに見る台風の連続的な直撃に見舞われています。今年の台風18号、19号、20号、そして21号が相次いで発生し、複数の台風が同時に存在する異例の事態となっています。現在も海上には3つの台風が停滞しています。そのうち、台風20号はすでに8月24日の昼頃、福建省泉州市の沿岸に上陸しました。台風19号は広東省および広西チワン族自治区の沿岸に接近しており、25日夜から26日昼にかけて、広西の南東部から広東省雷州半島の西側一帯にかけて上陸する見込みです。また、強い勢力を持つ台風18号は、26日に東シナ海へ抜けた後、次第に浙江省や福建省の沿岸に接近すると見られています。この影響で各地が暴風雨に見舞われ、水害に対する警戒がかつてなく高まっています。すでに全国34の河川で警戒水位を超えており、多くの地域で緊急の洪水警報が発令されています。

 この相次ぐ気象災害において、広西チワン族自治区の被害は特に深刻です。台風19号の外側の発達した雨雲の影響で、8月21日から23日にかけて、広西の防城港市、崇左市、北海市、南寧市、桂林市などの多くの地域で広範囲にわたる大雨や局地的な猛烈な雨となり、防城港市上思県では雨量が617.8ミリに達する記録的な豪雨となりました。降り続く雨によって河川の水位は軒並み急上昇し、左江およびその支流である明江、黒水河などでは4メートルから11メートルの激しい増水が確認されています。わずか1日の間に、14の河川にある20の観測所で警戒水位を超え、最大の超過幅は7.69メートルに達しました。中でも左江の龍州観測所では、水位が124.54メートルまで急上昇し、1986年の観測開始以来最大の洪水を記録したほか、鬱江(うつこう)でも深刻な洪水が発生する見通しです。

 濁流は瞬く間に都市や村を飲み込み、崇左市寧明県や龍州県、防城港市上思県の在妙鎮など広範囲が水没しました。在妙鎮では市街地や低地にある村が完全に孤立し、多くの商店や民家が浸水しています。寧明県では町全体が水に浸かり、多くの平屋が屋根だけを水面から覗かせている状況です。さらに崇左市では、400年以上の歴史を持つ文化財「左江斜塔」も被害を免れず、濁流が塔の2階部分にまで達しました。ビジターセンターも浸水し、観光地は全面閉鎖に追い込まれています。SNSなどに投稿された映像では、道路が急流の川と化し、多くの車が泥水に流される様子が確認できます。一部の村では一時的に外部との連絡が絶たれるなど、現地の人々は極めて過酷な状況に直面しています。

 台風による被害は広西チワン族自治区だけにとどまりません。台風20号が上陸した福建省の泉州市などでも、深刻な冠水や鉄砲水が発生しました。道路は瞬く間に川のように変わり、様々な物や車両が激しい濁流に流されています。また、内陸部に位置する四川省でも、近年まれに見る局地的な豪雨に見舞われました。楽山市馬辺県では激しい鉄砲水が発生し、複数の地域でわずか3時間のうちに100ミリを超える雨量が記録されています。低地の市街地には瞬く間に水深2.5メートルに達する濁流が押し寄せ、沿道の店舗は壊滅的な被害を受け、多数の車が流されました。緊迫した現場の映像には、激しい水流が通りを駆け抜け、浸水を防ぐために住民が屋内から必死にドアを押さえつける様子が映っています。中には、女性が声を枯らして助けを求める悲痛な声も記録されており、水に流された人がいるとの情報も伝えられています。被災地の人々は過酷な状況の中、必死に命を守る行動をとっています。

 南部の暴風雨から北部の河川の増水まで、この連続する台風の影響は中国全土に波及しています。南部の沿岸地域が深刻な水害に見舞われているだけでなく、北部の河北省、内モンゴル自治区、陝西省、さらには黒竜江省のウスリー川流域などでも、相次いで洪水警報が発令されました。被災地の家屋がまだ水に浸かっている中、新たに台風18号と19号が接近しています。絶え間ない暴風雨により、多くの地域で市民生活は完全に停滞を余儀なくされています。次々と到来する新たな風雨を前に、異常気象による脅威は依然として続いています。

(翻訳・吉原木子)