三人の「ワーカホリック」の前世今世.
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 現代社会には、多くの「ワーカホリック」がいます。彼らは仕事を何よりも優先し、1日24時間に、週7日働けるなら、その上なく理想的だとさえ考えています。しかし、このような考え方は、多くの方には理解しがたいものです。
 アメリカの著名な「輪廻転生」研究者及び「前世退行療法」の専門家であるブライアン・ジェイメソン(Bryan Jameison)博士の著書『前世を探る(The Search for Past Lives)』によると、ワーカホリックの多くは前世での経験と関わっているそうです。今回は、その著書で紹介された3つの事例をご紹介します。

事例1:前世は奴隷を働かせ続けた奴隷主

 ジェロームさんは、アメリカで成功を収めた50代前半の実業家でした。彼はほぼ毎日へとへとになるまで働いていました。医師からは仕事を休み、しばらく休養を取るよう勧められていましたが、ジェロームさんはそれをなかなか実行できませんでした。見かねた妻の強い説得により、ジェロームさんはジェイメソン博士のもとを訪ね、なぜ心からくつろげないのか、前世退行療法でその原因を探ってもらうことにしました。
 前世退行療法を行っている中で、ジェイメソン博士はジェロームさんの前世が奴隷主であったことを突き止めました。当時、ジェロームさんの前世にあたる奴隷主は、奴隷たちを疲れ果てて倒れるまで容赦なく働かせていました。奴隷が命を落としたことや自らの行いに対して、一切の後悔や同情の念を抱くことはなく、それどころか、奴隷たちよりも自分の馬の世話を気にかけていました。ジェロームさんは、前世での奴隷たちに対する冷酷な仕打ちが、今世でそのまま自分自身に向けられているのだとはっきりと分かりました。
 さらに、ジェロームさんのもう一つの前世の記憶も蘇りました。その前世では、ジェロームさんが奴隷でしたが、働きぶりが不十分だという理由で奴隷主に無残に殴り殺されました。あの恐怖を二度と味わいたくないという無意識のトラウマから、今世のジェロームさんは常に自分を追い込み、誰よりも多くの仕事をこなし、誰よりも懸命に働こうとしていました。
 ジェロームさんは、二つの前世の記憶をたどることで、なぜ今世で自分が自分にこれほど仕事を強いてきたのか、その原因を紐解きました。次第に彼は自分自身を過度に追い詰める束縛から解放されました。数週間後、ジェロームさんの妻からジェイメソン博士に電話で、ジェロームさんがこれまでのライフスタイルを改め、以前よりも穏やかで親しみやすくなったと感謝の報告が届きました。

事例2:前世では体力が乏しい奴隷

 マギーさんは、職場では誰もが認める優秀な社員でした。しかし、それは彼女が自ら望んだ姿ではありません。マギーさんは、同僚からの頼み事を断れず、すべて引き受けてしまいました。上司も「マギーさんなら確実にこなしてくれる」と信頼を寄せているため、ほかの社員よりも多くの仕事を彼女に任せていました。マギーさんは、仕事が積みあがっていく一方で、「ノー」と断ろうと考えただけで罪悪感を覚えてしまうことに深く悩んでいました。その原因を解き明かすために、彼女はジェイメソン博士のもとを訪れました。
 前世退行療法の中で、マギーさんの前世は、過酷な労働に体力が追いつかない男性の奴隷だった記憶を思い出しました。当時、ほかの奴隷たちは、彼(マギーさんの前世)がこなせなかった分まで引き受けなければなりませんでした。そのため、周囲の奴隷たちは彼に強い不満を抱き、疎外していました。
 さらに彼は奴隷主からたびたび激しい鞭打ちを受け、やがて極度に衰弱して生きる気力を失っていきました。彼が死の間際にあった時も、ほかの奴隷たちは誰一人として手を差し伸べず、慰めの言葉をかける者もいませんでした。魂が肉体を離れる直前の瞬間、彼は強い絶望と強烈な孤独感を抱いていました。その瞬間の感覚がそのままマギーさんの今世へと持ち越されてきたのです。
 マギーさんは今世で人一倍懸命に働いていたのは、前世で抱えていた「体力が足りない」という劣等感を埋め合わせようとしていたからでした。その結果、今世では誰からも怠け者だと責められることはなくなりました。前世退行療法によって、マギーさんは前世の奴隷生活がもたらしたネガティブな感情から解放されました。マギーさんは相変わらず勤勉に働き続けましたが、時には仕事を翌日に回せるようになり、自分を責める罪悪感からもついに解放されました。

事例3:前世では過酷な境遇に置かれた孤児

 グレースさんは、他人の物を手に入れようと考えただけで、何週間も続く強い罪悪感に苛まれることがありました。職場で、彼女は常に同僚以上の迅速さや完璧さを目指し、誰よりも早く出社し、時にはコーヒーブレイクや昼食すら抜いてまで、仕事に没頭していました。社内にはグレースさんほど仕事に打ち込む社員はほかにいませんでした。
 前世退行療法の中で、ジェイメソン博士は、300年前のグレースさんの前世の記憶を突き止めました。当時のグレースさんは、イングランドの街をさまよう孤児「浮浪児」でした。わずか7歳で窃盗の罪で警察に捕まり、収容施設へ送られました。収容施設での生活は、昼夜を問わず働くことでした。冷たい石畳の床にひざまずいて行う両手での雑巾がけや、厨房での雑用などの過酷な労働を強いられていました。
 収容施設の監督は、大柄で極めて横暴な男でした。彼は常に孤児や老人たちを残虐に殴りつけながら、「お前らは何の役にも立たない、お前らに食事を与える価値がない」と罵っていました。しかし、孤児や老人たちに与えられた食事は、わずかな薄いスープと、カビの生えたパン、そして味気ない粥だけだったのです。そんな悲惨な生活が5年も続いたある日、監督に頭を蹴られたことで、グレースさんの前世にあたる孤児の、苦難に満ちた生涯はついに終わりを告げました。
 前世の収容施設で受けた非人道的な扱いがあったからこそ、グレースさんは今世でそれを取り戻すかのように懸命に働くようになったのです。さらに、前世で浴びせられた侮辱的な言葉は、今世のグレースさんの心にも深い傷を残していました。グレースさんはジェイメソン博士に、「今世では、どれほど努力して前向きに自分を捉えようとしても、心の奥底では自分には何の価値もないと感じてしまう」と打ち明けました。この自己否定感は、紛れもなく前世から持ち越されてきたトラウマそのものでした。
 驚くべきことに、前世でグレースさんを非情に痛めつけた監督は、今世では実の父親として生まれ変わっていました。グレースさんは博士に、「物心がついた頃から、私は本能的に父を嫌い、恐れていた」と語りました。実際の父親も彼女に対して非常に高圧的で、グレースさんが教育を受け、自分を高めようと努力することを何一つとして応援してはくれませんでした。
 前世の記憶をたどったことで、グレースさんは自分を過剰に追い詰めるのをやめ、父親に対する根深い恨みからも解放されました。しかし、その後も父親との関係自体は疎遠なままでした。

 以上、前世の記憶が今世の「ワーカホリック」に深い影響を与えていた3つの事例をご紹介しました。すべての出来事には原因と結果が存在します。前世に蒔いた「因」が、今世で受け取る「果」となるのです。良い未来を築くためにも、私たちは日頃から自らの言動を慎み、今の行いが将来の悪い結果を招くことのないよう、常に心がけるべきではないでしょうか。

(文・劉暁/翻訳・心静、慎吾)