ここ数日、中国の雲南省では各地で異常気象が発生しています。豪雨や落雷、強風のほか、それに伴う土砂災害なども頻発しており、市民の生活や交通機関に深刻な影響を及ぼしています。
7月15日の夜から16日未明にかけて、省都である昆明市はこれまでにない猛烈な暴風雨に見舞われました。局地的な強い雷雨により市街地は厚い雨雲に覆われ、激しい稲妻と雷鳴が夜空を絶え間なく照らしました。SNSなどで拡散された動画には、空から地面へと真っ直ぐに伸びる巨大な雨柱が映し出されており、その局地的な豪雨の凄まじさは多くの人に衝撃を与えました。16日未明には、轟く雷鳴によって多くの市民が目を覚まし、まるで台風の接近を思わせるような暴風雨となりました。気象データによりますと、16日午前2時から3時までのわずか1時間で、昆明市街地の降水量は64.4ミリに達しました。西山区や五華区の気象台は相次いで最高レベルである赤色警報を発表し、一部の観測所では1時間の降水量が50ミリ、局地的には70ミリを超える記録的な大雨となりました。
暴風雨が過ぎ去った後の昆明市街地では、映像に残るほどの大きな被害が確認されています。至る所で太い街路樹が根元から倒れたり、幹が真っ二つに折れたりしたほか、道路の分離帯がなぎ倒され、建物の屋根にあった太陽光パネルが落下しかけるなど、風の猛威の爪痕が残されました。また、道路は深刻な冠水に見舞われ、まるで川のように水が溢れて「街中でボートが漕げる」と表現する市民もいたほどです。強風によって駐輪されていたバイクがドミノ倒しになっただけでなく、屋台の大きなパラソルが吹き飛び、さらには店員が突風で一時的に宙に浮き上がったという衝撃的な目撃情報も寄せられています。現地のネットユーザーたちは、「夜中にこの雷で叩き起こされたのは、私だけではないはず」「数分間、息が詰まりそうな感覚になった」「まるで世界の終わりのような光景で本当に恐ろしかった」など、未だに恐怖が冷めやらない様子を次々と投稿しました。
昆明市が激しい雷雨に見舞われていたのと同じ頃、持続的な大雨の影響により、雲南省北西部でも土砂災害の危険性が急激に高まっていました。7月16日、高山地帯に位置するデチェン・チベット族自治州シャングリラ市の「無底湖」という観光地の内部道路において、大雨による鉄砲水と土石流が発生しました。現場は起伏の激しい山間部であり、逃げ場のない狭い道路に、山の斜面から突然大量の土砂と濁流が押し寄せる事態となりました。
この影響で、観光地へ向かっていた多数の車両が立ち往生しました。遠方から訪れていた観光客の車も多く、粘り気のある泥水が容赦なく押し寄せ、車体の半分近くが泥に埋まる車両が続出しました。現場では進むことも戻ることもできず、逃げ場を失った多くの旅行者がパニックに陥り、車内で恐怖のあまり泣き出す人もいたとのことです。ある体験者はSNS上で、「経験豊富な現地のドライバーの判断で間一髪で脱出できたが、大自然の前に人間はあまりにも無力だと感じた」と、生々しい恐怖を語っています。現地の自治体や観光地のスタッフによりますと、この土石流によって道路が一時寸断されたものの、同日午後には復旧作業が概ね完了し、幸いにも死傷者は出なかったということです。
同地域が深刻な土砂災害に見舞われたのは、ここ最近で二度目のことでした。現地の交通情報サイトによりますと、数日前の7月6日にも、シャングリラ市を通る国道214号線の香徳区間(尼西郷幸福村付近)で、短時間の猛烈な雨により大規模な土石流が発生しています。推定1300立方メートルに及ぶ大量の土砂が道路に流れ込み、道路が全面通行止めとなり、多数の車両が足止めを余儀なくされていました。
深刻化する水害や土砂災害のリスクを受け、現地の気象部門は相次いで警報を発令しています。雲南省気象局の発表によりますと、最近の頻繁な降雨により、シャングリラ市のほか、怒江(どこう)州や徳宏(とくこう)州などの複数の地域で、土砂崩れや土石流の発生リスクが非常に高い状態にあります。また、雲南省気象台は7月16日未明以降も落雷に関する警報を継続しており、昆明、玉渓、楚雄などの地域で雷雨が続く見込みです。局地的な短時間の猛烈な雨や雹などを伴う恐れもあるため、現地では引き続き厳重な警戒が呼びかけられています。
(翻訳・吉原木子)
