現地時間7月9日の正午ごろ、中国福建省にある靴工場で、大規模な火災が発生しました。火は1階から屋上まで燃え広がり、4時間以上にわたって燃え続けました。公式発表によると、この火災で28人が亡くなりました。

 現場は、泉州(せんしゅう)市晋江(しんこう)市の陳埭(ちんたい)鎮にある、「輝騰靴業(きとうかぎょう)」の工場です。建物は5階建てでした。

 ネット上に拡散した動画を見ると、出火からわずか30分ほどで、フロア全体が炎に包まれています。オレンジ色の炎が窓から吹き出し、黒煙が数十メートルの高さまで立ち上ります。その煙は、遠くからでもはっきりと見えるほどでした。

 1階にいた作業員たちは、必死に工場の外へ走りました。その多くは避難できました。しかし、上の階にいた人たちは、そうはいきませんでした。

 現場の映像には、階段に段ボール箱や靴の資材が山積みになっている様子が映っています。避難通路は、人がやっと一人通れるほどの幅しか残っていませんでした。下へ向かう道は、炎に塞がれます。上層階にいた十数名は、反対方向の屋上へ逃げるしかありませんでした。

 その後の映像は、見ていて胸が締めつけられます。十数名の男女が、屋上の縁に身を寄せ合っています。黒煙が次々と押し寄せ、人々を飲み込んでいきます。屋上の温度は、相当高かったとみられます。上着を脱いで口と鼻を覆う人。手すりにしがみつき、地上に向かって手を振り続ける人。

 地上の消防隊員は、彼らの周囲に高圧放水を続けました。温度を下げ、煙を散らし、救助までの時間を稼ぐためです。屋上の反対側では、隣の建物との距離が近かった一部の人が、向かいの屋上へ飛び移り、一命を取り留めました。

 ある動画には、上半身裸の男性が、屋上の縁にぶら下がっている姿が映っています。数分間、彼は耐えました。しかし力尽きたのか、そのまま落ちていきました。撮影していた通行人が、思わず声を上げます。「うわあ、恐ろしすぎる。今、人が落ちた」

 消防当局は、500人以上の救助隊員を動員しました。近くの商店主が撮影した映像では、周辺の道路は全面封鎖され、数十台の消防車が路面を埋めています。20台以上の救急車が、一列に並んで待機しています。上空では、救助ヘリコプターが何度も旋回しました。しかし煙がひどく、最後まで着陸地点を見つけられませんでした。規制線の外では、住民たちがスマートフォンを掲げ、炎が上の階へ広がっていく様子を見つめるしかありませんでした。夕方5時過ぎ、ようやく炎はほぼ収まりました。

 火災発生時、工場内には237名の作業員と、2名の配達員がいました。213人が避難に成功。2人が搬送先の病院で亡くなり、連絡が取れなくなっていた26人は、全員の死亡が確認されました。企業の責任者はすでに警察に拘束され、会社の口座も凍結されています。

 一度の火災で、28人が亡くなりました。塞がれた避難通路。山積みの可燃資材。これらの危険は、一日で作られたものではありません。どこで安全管理が破綻したのか。公式な調査結果が待たれます。

(翻訳・吉原木子)