「この商売、どうなってるんだ?人は?みんなどこ行ったんだよ?大連の人、どこへ消えたんだ?」

 中国大連市のあるブロガーが、かつて人と車であふれていた繁華街に立ち、カメラに向かって戸惑い混じりの声を上げました。人影のない通り、閉まりきったシャッター。その光景が彼の背後に広がっていました。

 この動画はネット上で一気に拡散され、多くの東北出身者たちの共感を呼びました。その喪失感は、もはや一人だけの感覚ではありません。地域全体が抱える現実になっているのです。

 大連は、かつて東北で最も華やかな都市の一つでした。海辺の景色、整った街並み、発達した港湾貿易。そして早くから進出した外資系企業の存在により、「東北の小香港」と呼ばれていました。

 重工業のイメージが強い他の東北都市とは違い、大連はより近代的で開放的な街として、多くの若者の憧れを集めてきました。しかし今、その街は少しずつ静まり返っています。

 地元ブロガーはこう語ります。「表向きはベンツやBMWがあちこち走っていて、道路も渋滞だらけだ。しかし現実は、平均月収が約9万円(4000元)にも届かない人が多い。それなのに、住宅ローンだけで毎月約23万円(1万元)以上払っている人もいる。今の大連では、大企業ですら給料カットやリストラが始まっていて、中小企業も不景気だ。失業や破産に追い込まれる人が本当に増えている」

 彼は友人の体験談をこう語りました。「住宅ローンが毎月約9万円(4000元)、車のローンが約4万6000円(2000元)、さらにクレジットカードの支払いもある。毎月の返済は合計で約16万円(7000元)を超えるのに、給料は約14万円(6000元)ちょっとしかない。奥さんは出産したばかりで、家族全員の生活費をそのお金だけで賄っている。先月、子どもが病気になった時には、家中の貯金箱を全部ひっくり返しても約11万円(5000元)すら用意できなくて、結局は親戚から借金したそうだ」

 不況は、生活の最も基本的な部分にまで広がっています。大都市のマンション前にあった小さな便利店は閉店し、朝食店ですら「店舗転貸」の張り紙を出すようになりました。

 「食べる」という最も基本的な消費ですら、街から消え始めています。それは、この地域全体の消費需要が崩れ落ちていることを示す、非常に現実的な光景です。

 さらに北へ目を向けると、瀋陽市の状況も深刻です。

 ある飲食店の店主はこう話します。
 「前によく来てくれていた若いカップルがいたんだけど、突然来なくなった。電話してみたら、二人とも地元へ帰っていた。瀋陽では月収約11万円(5000元)が普通だ。でも、家賃が毎月約4万6000円(2000元)、車のローンが約5万7000円(2500元)。夫婦二人でも毎月ほとんどお金が残らない。外食なんて、とてもできない」

 ハルビン市の状況も同じです。
 「ハルビン市で何が多いか知っているか?休みが週1日しかない仕事が多い。サービス残業が多い。そして、仕事が見つからない人はもっと多い」

 「じゃあ仕事が全くないのかと言えば、そうでもない。あるにはある。カスタマーサービスのコールセンターや営業、さらにもっともハードな業種であるフードデリバリー、配車サービス、宅配便だ」

 ハルビン市で店を経営する男性は、地元の現状をこう説明しました。
 「街中の店の85%は赤字だ。10%はなんとか赤字を出さずに持ちこたえている。利益が出ているのは5%しかない」

 理由について彼はこう分析します。
 「家賃と人件費は上がり続けているのに、客足は目に見えて減っている。さらにECや共同購入サービスの影響。そして何より、若者が次々と東北を離れていることだ」

 数字が示す現実では、14年間で1456万人減少しています。

 こうした個人の嘆きの裏には、さらに衝撃的な数字があります。

 黒竜江省、遼寧省、吉林省の東北三省は、2010年に人口1億900万人というピークを迎えていました。しかし、その後わずか14年で1456万人も減少しました。

 これは、海南省の人口1.4倍、あるいは瀋陽市1.5個分に相当する規模です。東北全体の人口は、すでに1980年代の水準まで戻っています。2024年だけでも、東北三省の人口は合計で80万人減少しました。2021年にハルビン市の常住人口が1000万人を下回って以降、東北には1000万人都市が一つも存在しなくなっています。

 さらに深刻なのは、人口減少の仕組みそのものが変化していることです。かつては「人が外へ流出すること」が人口減少の主な原因でした。しかし現在は、「出生数が死亡数を下回る自然減少」が中心になり始めています。

 これは非常に大きな意味を持っています。たとえ人口流出が止まったとしても、東北の人口は自然に減り続けるということです。

 黒竜江省は、中国でも最も出生率が低い地域の一つです。2023年の出生率はわずか2.92‰で、日本や韓国よりも低い水準となっています。

 人口流出は問題の一面に過ぎません。東北に残った人々もまた、厳しい現実の中でもがいています。

 「何度も面接を受けたが、KPI(業績評価指標)ばかりを重視するところか、年齢を聞いた途端に連絡が途絶えてしまう。今は毎日、一人で賃貸部屋にこもっている。誰とも話さない日が続いている」

 これは、大連で一人暮らしをしながら仕事を探している男性の言葉です。

 不動産業界で約15年間働いてきた39歳の女性も、現在の就職事情についてこう語ります。
 「今の求人は、18歳から30歳とか、多くても35歳までを求めている。履歴書を送っても、年齢を見た瞬間に『とても優秀な方ですね。でも弊社の条件には少し合わなくて』と言われる」

 彼女はライブ配信中、話している途中で涙を流しました。

 かつて上海や杭州で仕事を探していた頃は、「1日に最低2件は面接があった」という求職者も、大連や瀋陽へ戻った途端、現実の厳しさを痛感したといいます。

 「履歴書を100通送っても、見てもらえる確率は30%にも届かない」

 かつて、多くの人は「大連だけは違う」と思っていました。東北の中でも、より近代的で、より開放的な街だったからです。

 しかし今、その「最も東北らしくなかった街」でさえ、他の東北都市と同じように静まり返り始めています。人々はようやく気づき始めました。

 これは、一つの都市だけの問題ではない。地域全体の経済衰退そのものなのだと。

 大連は、最後に倒れたドミノの一枚に過ぎなかったのです。
 「今の時代、結婚を遅らせた人の方が勝ち組だ。5年前に家を買わなかった人も勝ち。起業しなかった人も勝ち。実家に頼って暮らしている人ですら、結果的には勝ち組かもしれない。今の時代、少しでも向上心を持って商売を始めた人ほど、最後には全部失って、借金だけ背負うことになる」

 深夜、最後の客を見送った飲食店の店主は、一人で街を歩きながらこうつぶやきました。
 「どうして俺は、東北でお金を稼げないんだろうな。俺が欲深いからなのか?そうじゃない。誰だって少しでも多く稼ぎたいし、親に楽をさせたいし、もっといい生活をしたいと思うだろ?」

 この言葉はネット上で何度も拡散されました。それが苦し紛れの冗談だったのでしょうか、それとも東北の人々の本音だったのでしょうか。その答えを、誰も知りません。

(翻訳・藍彧)