5月11日から13日にかけて、東京国際フォーラムにて神韻芸術団による公演が開催された。中国5000年の神伝文化の復興を掲げる本公演には、医療従事者や会社員、戦前の中国を知る世代など幅広い層の観客が訪れ、息を呑むような美しい舞踊と、東西の楽器を融合させたオーケストラの生演奏に絶賛した。会場を後にする来場者たちに、舞台の感想をお伺いした。
並外れた身体能力と舞台芸術への感銘

文京区の病院で看護師を務める徳江幸代様と、友人で同じく看護師の佐藤美雪様は、その高い芸術性とメッセージ性に感銘を受けていた。佐藤様は、「ダンサーの身体能力が高く、動きが滑らかでスムーズでした。空中での動きがスローモーションのように見えたのが印象的です」と卓越した技術に驚きの声を上げた。
徳江様は、「女性の水袖の舞(長い袖を水の様にたなびかせて踊る水袖の舞)など、見たこともない宮廷の景色が浮かんでくるような空気感がすごく、本当に綺麗でした」と述べ、3D背景幕と舞台上のダンサーが入れ替わる演出の巧みさにも魅了されていた。また、現代の中国を描いた演目について徳江様は、「民族的な迫害を超えて、人としてつながろうというメッセージが込められていると感じました。世界中に伝わって平和に暮らせるといいですね」と平和への願いを口にした。
圧倒的な芸術性と、受け継がれる伝統文化への期待
神奈川県大和市から足を運んだ元建築業の高田英昭様・正江様ご夫妻は、舞台の圧倒的な芸術性に賛辞を送った。「構成も立派で、演技者の方々の身体が軽く、技術的なものが本当に素晴らしい。女性の舞踊も美しかったです」と話した。以前から中国の伝統文化に関心があり、テレビの広告を見て来場したという。中国共産党体制下で失われつつある伝統文化を復興させるという神韻の使命については、「政治体制が変わっても文化はそのまま引き継がれるものだと思うから、これからも伝統文化は続いていくのではないでしょうか」と、文化継承への期待と希望を口にした。
戦前の北京の記憶と、中国文化への深い敬意

本公演には、戦前の中国を知る世代の姿もあった。お父様がかつて蒋介石時代の北京の日本大使館に勤務していたという石井様(仮名、89歳、元看護師・ケアマネジャー)は、幼少期を北京で過ごした。「5000年の歴史ということで、舞台が順番に流れてきて、最後は現代に至る壮大な舞台でした。現代の中国は知りませんが、80年前に引き揚げてきた私にとって、舞台上の風景は非常に懐かしく、北海公園や天壇などに親と一緒に行った思い出が蘇りました」と感慨深げに語った。同じく北京からの引き揚げ者であった同級生の夫と再会して結婚したという石井様。
「日本はやはり中国から学んできたのだから、そこは忘れてはいけないと思うし、私は中国を尊敬しています。こうして伝統文化を思い起こさせてくれる舞台は本当に素晴らしいです」と絶賛した。戦後の引き揚げ時については「北京からの引き揚げはとても恵まれており、大事にされました。嫌な思い出がありません」と当時の恩に感謝する一方、現代の中国で起きている信仰への迫害の事実については「本当にそんなことが起きているのかと驚きました。世の中の移り変わりとはいえ、そうした事実を皆さんに知らせようとしてくれるのは良いことだと思います」と述べた。
時空や世代を超え、美しい伝統芸術と真実のメッセージを届ける神韻公演は、多くの観客の心に深い感動と余韻を残し、大盛況のうちに幕を下ろした。
(報道・撮影/勅使河原 英莉)
